Research Abstract |
1)新概念に基づく超平滑研削盤の試作 近年,研究代表者によって開発された,新概念による超平滑研削加工原理に基づき,超平滑立型平面研削盤を,試作速度や予算的問題等を考え,大学で試作した. 新概念超平滑研削加工原理は,次のようなものである. (1)従来のトラバース研削法とは逆に,まず砥石あるいは工作物を研削方向とは直角方向に,砥石1回転当たりの工作物直角送り量f_<Gn>が,研削方向と直角方向の切れ刃逃げ面摩耗幅w_n(摩耗面が連なるとみなされる場合には,それを複合したもの)以下となるような送り速度で,砥石-工作物接触幅を加工する. (2)次いで,幾何学的に計算される砥石-工作物の干渉高さ(研削方向平行仕上面粗さH_pに相当)が,要求する高平滑仕上面粗さH_<max>以下になるように,微小な研削方向平行に間欠送り量f_pだけ,工作物あるいは砥石を間欠的に移動する.そして,次の砥石-工作物接触幅を仕上げる.開発された超平滑研削法は,このようなことを繰り返して,工作物全面を加工し,研磨加工に替え得る,あるいは,研磨加工に近い超平滑研削仕上を行おうとするものである. 試作研削盤の基本構造は,次のようなものである. 砥石主軸が箱形研削盤コラムから懸垂形に吊り下げられ,Z軸方向に移動する構造である.砥石主軸には,砥石回転数N_wを大きくしても,高砥石周速度にはならず,研削方向直角送り速度(砥石1回転当たりの研削方向直角送り量×砥石回転数)を大きくできるように,超高速砥石スピンドルを使用している. 研削盤テーブルとしては,本年度は,X-Yテーブルを用いた.砥石軸およびX-Yテーブルの移動制御にはサーボモータを用い,パーソナルコンピュータで独立で駆動でき,1μm以下の精度で移動が可能である. 2)超平滑研削可能性の概括的検討 上記で製作した立型平面超平滑研削盤を用いて,炭化けい素の超平滑研削面加工の可能性を,概括的に検討した.その結果,砥石軸回転数約20,000rpmの馴らし運転の状況であるが,40nm(P-V値)以下の超平滑面を得ることが出来た. 次年度で詳細な検討が行い得ることがわかった.
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