2003 Fiscal Year Annual Research Report
ニアコンタクト・コンタクトスライダの接触自励振動と安定接触走査条件の解明
Project/Area Number |
15360081
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 京右 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40152524)
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Keywords | 磁気ディスク記憶装置 / ニアコンタクトスライダ / 高速道的接触現象 / 接触特性 / 自励振動 / 安定浮上特性 / 摩擦力 / 吸着力 |
Research Abstract |
1,数値シミュレーションによるスライダの接触自励振動のパラメータスタデイ 数値シミュレーションに接触特性を組み込む際に重要となるパッドとディスク面間の接触特性を明らかにするために,粗さ接触・潤滑剤の影響・バルク変形を考慮した解析モデルを用い解析的に調べた.その結果,突起分散が大きく,スライダ・ディスク面の接触量が小さく,突起変位が小さい場合,接触特性は突起の変形が支配的になり,現在用いられているディスクのように,突起分散が小さく突起量の大きい場合は,バルク変形が支配的になることを明らかにした. 2,スライダの接触振動の計測と分析 スライダ吸着接触時に生じる跳躍現象の特徴と原因を明らかにするために,レーザドップラ振動計を用い,スライダが跳躍振動しているときのスライダ後端の時刻暦応答を調べた.その結果,跳躍接触時のスライダ後端の時刻暦応答は,周期的な振動をしており,その周波数スペクトルには一定周期ごとに卓越したピークが見られることを明らかにした. 3,球面スライダによるディスク面衝突時の摩擦力と減衰力の実験的同定 ディスク面にスライダが衝突したときの摩擦力と接触剛性・減衰を同定するために,半径1mmのAlTiC材およびガラスによる球を微小な弾性ビーム先端につけた球面スライダを数マイクロメータの高さからディスクに衝突させ,その跳ね返りの運動を購入したデジタルレーザドップラ振動計により計測した.その結果,'表面粗さの大きいスライダの場合(Ra=10nm),接触剛性係数はヘルツ接触理論から求めた理論値より小さく,接触減衰力はスライダのディスクへの押し込み量と速度に比例し,スライダのディスクへの突入過程と反発過程でそれぞれ異なることを明らかにした.一方表面粗さが小さい場合(Ra=3nm)には,接触剛性係数はヘルツ理論値とほぼ一致し,接触減衰は突入過程と反発過程でそれぞれ異なり,また接触終了時刻付近で吸着力により速度が減少する特徴がみられ,この動的な吸着力は潤滑膜厚さが2nmまでは静的な吸着力にほぼ等しいが,潤滑膜厚さが3nmになると静的な吸着力の数倍になることを明らかにした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山根 正巳: "ニアコンタクト領域の粗さ接触/潤滑剤の吸着力を考慮した浮上ヘッドスライダの2自由度接触振動解析"日本機械学会論文集(C編). 69巻686号. 2638-2645 (2003)
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[Publications] Kyosuke ONO: "Design Considerations of a Contact Slider and Bouncing Vibration in Near-Contact Regime"IEEE Trans.On Magnetics. (掲載決定).