2003 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ・プローブを用いた超薄膜分子膜のナノトライボロジー特性測定法
Project/Area Number |
15360084
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福澤 健二 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60324448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 賀東 名古屋大学, 情報科学研究科, 助手 (80345925)
三矢 保永 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10200065)
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Keywords | トライボロジー / レオロジー / ナノ計測 / マイクロマシン / 光ファイバー / 磁気記録 |
Research Abstract |
本研究では,超薄膜状潤滑膜による潤滑技術の確立をねらいとして1nmオーダの隙間に閉じ込められた潤滑分子の動的なトライボロジー特性,特に動的粘弾性特性の測定方法の確立とメカニズムの解明を目的とする.実際の微小機械の動作を想定し,ナノメートルスケールの隙間に潤滑分子を挟んで,高速に摺動した場合の潤滑分子膜の粘弾性特性を高感度に測定する方法を確立し,超薄膜の動的粘弾性特性を解明する.本研究の測定法の目標は,せん断力の最小検出限界が1nN,ひずみ速度を求めるための変位計測の検出限界は0.1nm,隙間の制御は0.1nm,摺動の繰り返し周波数として0〜1kHzまで静的な領域から動的な領域までが測定可能であること,とした.試料面内方向に働くせん断力をバネのたわみで高感度に測定するためには,面内方向に剛性が低いことが必要である.同時に,0.1nmの分解能で隙間を制御するためには,鉛直方向には,プローブの剛性は高くなければならない,本測定法では,光ファイバをプローブとし,加振した光ファイバプローブを試料基板と鉛直に配置することにより上の二つの条件を実現する.すなわち,光ファイバの直径は100mm程度であり,試料面内方向には剛性が低く,鉛直方向には剛性が高いバネとしてみなせる.共振周波数も数kHzで,従来の測定法に比して2〜3桁程度大きいので,静的な領域から従来の測定法では困難であった動的な領域(摺動の繰り返し周波数にして最大1kHzのオーダ)の測定も可能になる.今年度は,先端径200μmのガラス微小球を付与した光ファイバをプローブとして採用し,装置を試作し,動作の原理的確認を行った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Fukuzawa, S.Itoh, Y.Mitsuya: "Fiber Wobbling Shear Force Measurement for Nanotribology of Confined Lubricant Molecules"IEEE Transaction on Magnetics. 39. 2453-2455 (2003)
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[Publications] 伊藤伸太郎, 福澤健二, 張 賀東, 三矢保永: "ファイバーウォブリング法によるナノ閉じ込めきれた分子潤滑膜の粘弾性特性の測定"日本機械学会論文誌(C編). (発行予定). (2004)
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[Publications] 福澤健二, 川村淳, 出口貴則, 張賀東, 三矢保永: "マイクロ構造を用いた固体表面上の潤滑薄膜の分離圧の測定"トライボロジスト. 48. 1014-1021 (2003)
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[Publications] K.Fukuzawa, S.Itoh, T.Ando, K.Takahashi, H.Zhang, Y.Mitsuya: "A lateral force measurement using a probe fiber as a microlens"Journal of Applied Physics. (発行予定). (2004)
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[Publications] K.Fukuzawa.J.Kawamura.T.Deguchi, H.Zhang, Y.Mitsuya: "Measurement of Disjoining Pressure of a Molecularly Thin Lubricant Film by Using a Microfabricated Groove"IEEE Transaction on Magnetics. (発行予定). (2004)