2003 Fiscal Year Annual Research Report
流体の抵抗減少効果を生ずる機能性壁面の創成に関する研究
Project/Area Number |
15360099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 敬三 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20072134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 明 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90240142)
諸貫 信行 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90166463)
水沼 博 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20117724)
小方 聡 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50315751)
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Keywords | 流体工学 / 抵抗減少効果 / 疎水性壁面 / 矩形管内流れ / 球周りの流れ / 回転円板周りの流れ |
Research Abstract |
流体の抵抗減少効果を生ずる壁面を創成し、その流動の特性を明らかにする目的で層流域及び乱流域を対象にそれぞれ疎水性壁面と微細な螺旋溝を表面に加工した回転円板の実験を行なった。その結果、今年度は下記のようなことが明らかとなり、それらの成果が研究発表された。そして、次年度の研究計画への指針が得られた。 (1)層流域(疎水性壁面の流体の滑りによる抵抗減少効果):流れ場としては矩形管及び回転二重円筒間内流れ、外部流として球周りの流れ場を対象とした。表面にある種の規則性を有するシリコンの固体表面を製作し、矩形管内の圧力損失を測定したが、現時点で抵抗減少効果は得られていない。表面をそのようなフラクタルな構造にすることにより比較的大きな接触角を得ることが出来たが、滑りを生じさせるために必要と考えられる気液界面の保持まで至っていないと考えられる。今後、さらにそれらの表面の試作を続ける必要がある。一方、疎水性壁面の境界条件及び壁面近傍の流れを解析的にどのように扱うかと言う問題に対して、球周りの数値シミュレーションがなされた。その結果、提案された解析モデルは実験結果とほぼ一致することが判った。 (2)乱流域(螺旋溝による回転円板の抵抗減少効果):回転円板の摩擦抵抗モーメントの低減はターボ機械の性能向上に直接結びつく。エッチング加工によって回転円板が試作され、容器内回転円板の摩擦抵抗モーメントの測定がなされた。その結果、表面の螺旋溝の本数が約150本、深さ0.1〜0.2mmのものが最大15%低減する抵抗減少効果が明らかにされた。リブレットの表面と比較するとs^+〜100となり、それらの領域を越す。今後、その低減のメカニズムを明らかにするため速度分布測定や表面近傍の流れの可視化を行なう必要がある。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] K.Watanabe, et al.: "Flow Between Two Coaxial Cylinders with a Highly Repellent Wall"AICh.E.Journal. 49-8. 1956-1963 (2003)
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[Publications] K.Watanabe, T.Fujita: "Flow around a Sphere with a Highly Water Repellent Wall"Proc.ASME/JSME Joint Fluids Engineering Division Meeting. FEDSM2 003-45787. 1-6 (2003)
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[Publications] K.Watanabe, Budiarso, S.Ogata, K.Uemura: "Friction Resistance of an Enclosed Rotating Disk with Many Fine Grooves"Proc.of The 14^<th> International Symposium on Transport Phenomena. 131-135 (2003)
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[Publications] K.Watanabe, M.Hasegawa, S.Ogata: "Flow Behavior of Newtonian Fluids at a Highly Water-Repellent Wall"Proc.of The 12^<th> International Conference on Fluid Flow Thchnologies. 686-693 (2003)
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[Publications] 渡辺 敬三, 長谷川 学, 小方 聡: "超はっ水壁表面近傍における液体の流れ挙動"日本機械学会2003年度 年次大会講演論文集(II). No.03-1. 225-226 (2003)
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[Publications] 藤田 貴男, 渡辺 敬三: "疎水性表面における液体のすべりに関する研究(見かけのすべり速度に対する一考察)"日本機械学会2003年度 年次大会講演論文集(II). No.03-1. 231-232 (2003)
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[Publications] 廣瀬 敦, 小方 聡, 渡辺 敬三, 諸貫 信行: "微細な凹凸を有する壁面の流動特性に関する研究"日本機械学会2003年度 年次大会講演論文集(II). No.03-1. 227-228 (2003)
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[Publications] 渡辺 敬三: "疎水性壁面における流体の抵抗減少効果 -研究の現状と課題-"日本機械学会関東支部創立10周年記念 第10期総会講演会講演論文集. No.04-1. 221-222 (2004)
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[Publications] 渡辺 敬三, Budiarso, 小方 聡, 上村 圭吾: "表面に螺旋溝を有する回転円板の抵抗減少効果"日本機械学会関東支部創立10周年記念 第10期総会講演会講演論文集. No.04-1. 311-312 (2004)
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[Publications] 藤田 貴男, 渡辺 敬三: "疎水性表面を有する球周りの流れの数値シミュレーション"日本機械学会関東支部創立10周年記念 第10期総会講演会講演論文集. No.04-1. 313-314 (2004)
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[Publications] 上村 圭吾, Budiarso, 小方 聡, 渡辺 敬三: "表面に螺旋溝を有する回転円板の抵抗減少効果(軸方向すき間が狭い回転円板)"日本機械学会関西支部第79期定時総会講演会講演論文集. No.04-1. (2004)
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[Publications] 藤田 貴男, 渡辺 敬三: "超はっ水壁球の気液界面とその流動特性"日本機械学会論文集. (2004年1月掲載決定). (2004)
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[Publications] K.Watanabe, Budiarso, S.Ogata, K.Uemura: "Drag Reduction of an Enclosed Rotating Disk with Fine Spiral Grooves"Proc.of The 15^<th> International Symp.on Transport Phenomena. (2004年5月タイで発表予定). (2004)
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[Publications] K.Watanabe, T.Fujita: "Numerical Simulation of Fluid Slip at Hydrophobic Surface"Proc.of the ASME Heat Transfer/Fluids Engineering Summer Conference. (2004年7月米国で発表予定). (2004)