2005 Fiscal Year Annual Research Report
遠心型血液ポンプインペラに作用する非定常流体力の解析
Project/Area Number |
15360103
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Research Institution | Research Institute of National Cardiovascular Center |
Principal Investigator |
築谷 朋典 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (00311449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妙中 義之 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 部長 (00142183)
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (50112024)
巽 英介 国立循環器病センター(研究所), 研究評価室, 室長 (00216996)
本間 章彦 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (20287428)
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Keywords | 人工心臓 / 遠心ポンプ / ふれまわり / 流体力 / 非定常流 |
Research Abstract |
昨年度の研究によって、永久磁石磁気結合方式の遠心型血液ポンプのインペラ支持安定性に関する各種設計パラメータの影響が明らかになり、より安定したインペラ位置支持を実現するために有効な改良指針を得ることができた。昨年度末までは、ポンプ流量が時間的に変化しない定常状態の下での研究を行ってきたが、補助人工心臓として使用される際にポンプに誘起される流量変動の影響を明らかにするため、本年度の研究では、流量が周期的に変化する条件下でインペラ位置の挙動を計測し、インペラ指示位置あるいはインペラに作用する流体力の非定常性に関する検討を加えた。 空気圧駆動式補助人工心臓を遠心ポンプ上流に直列に接続し、遠心ポンプにほとんど矩形波状の流量変動を持たせ、レーザー変位計によりその間のインペラ位置を計測した。また、脱血管の心内壁への周期的吸い付きに伴う流量の急停止についても検討を加えた。流量が急に上昇する場合、急に減少する場合ともに、インペラの軌跡は、該当する定常状態での測定結果の軌跡の範囲内に収まることが明らかとなった。このことより、少なくともポンプ設計の段階で、半径方向のインペラ挙動に関しては定常流量の条件下で行うことが妥当であることが示された。 また、昨年度までに実験装置の完成ならびにその妥当性を確認した流体力測定装置を用いて、インペラ部分に作用する流体力に基づくロータダイナミック解析についても詳細な検討を行った。その結果、ふれまわり角速度比が正の場合に不安定流体力が発生するが、0.7-0.8近傍で安定領域へと遷移することが明らかとなった。また、定常流体力に関する実験では、流量が増加するに従い流体力が吐出口の方向に向かって移動する傾向が得られた。この傾向は実機での浮上位置計測結果と類似しており、羽根車部分に作用する流体力がインペラの浮上位置を支配している可能性を示すものと考えられた。
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Research Products
(3 results)