2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内環境を生体外に作る技術を援用した非侵襲心血管系モニタリングシステムの検証
Project/Area Number |
15360120
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
金子 成彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70143378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 辰郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 産学官連携研究員 (70011179)
坂井 良夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (50272373)
山根 隆志 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 副部門長
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Keywords | 血圧 / ヘルスモニタリングシステム / 脈波 / 血圧測定 / 非侵襲計測 / 脈波伝播 / 流体関連振動 / オシロメトリック法 |
Research Abstract |
最近、脈波を利用した様々な心血管系の計測システムが提案されている。よく知られているものは家庭で用いられるオシロメトリック式自動血圧計である。この血圧計では、上腕部に巻いたカフにポンプで圧力を掛け、減圧時の脈波の振幅が最大値の55%を越えた時のカフ圧を最高内圧、82%を下回った時のカフ圧を最低内圧と定義している。二つ目は、腕時計型血圧計である。これは、心電位波形の立ち下がりと腕時計血圧計で測定した脈波の立ち上がりの間の時間差である脈波伝播時間と予めオシロメトリック式自動血圧計で測定してあった血圧値との換算を行うことで、常時監視可能な血圧計となっている。三つ目は、心血管系の状態を常時モニタリングするために登場した光電容積脈波モニタである。このモニタは、脈波の変化や2次微分波形を用いて体調管理に結び付けようとするもので、現在、不定愁訴という形で片付けられている患者の体調不良に関する訴えを定量的な形で整理できる可能性があるといわれている。本研究は、生体内で発生する脈波現象を生体外に忠実に再現できるシステムを試作し、理論モデルを構築することで、上記3種類の脈波を用いたモニタリング手法の検証と精度測定を目的とするものである。 本年度の研究では、脈波伝播のメカニズムを理論的に明らかにすることを目標として、脈波伝播のシミュレーションプログラムを作成し、血管の替わりにシリコンチューブを用いた場合につき、実験とシミュレーションによって、血圧と脈波伝播速度の関係を調べ、プログラムの妥当性を検証した。その後、このプログラムを人体内の心臓血管系へ適用し、脈波伝播時間の遅れと各種パラメータの関係を導き、脈波を用いたモニタリング手法の有効性を検証することに成功した。さらに、流体と薄肉血管との連成問題として流体構造連成問題を取り扱う手法を構築し、流体の非線形効果を取り込んだ現象説明のための解析手法を完成させることが出来た。
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Research Products
(3 results)