2003 Fiscal Year Annual Research Report
フォルソンダム・テンタゲートの動的不安定に関する実地調査と安全対策の提案
Project/Area Number |
15360127
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
石井 徳章 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (40098083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿南 景子 京都大学, 工学研究科, 助手 (30346077)
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Keywords | 機械力学 / 流体関連振動 / 自励振動 / 連成振動 / 複合振動 / ゲート / テンタゲート / ラジアルゲート |
Research Abstract |
(1)実用大形テンタゲートの動的不安定に関する実地調査 当初計画していた米国内フォルソンダム・テンタゲートは米国連邦政府直轄の施設・設備であって、それに関する実地調査は米国内でのテロに対する厳重な警戒のために実施することが不可能であった。そこで、国内で実用されている45トンの大形テンタゲートについて動的不安定に関する実地調査を実施した。空中での実験的モーダル解析と流水時の振動計測を行った。今回は特に巨大なテンタゲートを鋼棒切断によって危険が伴わない程度の弱い加振をすることによって正確な動的不安定に関する調査を行うことができ、数多くの重要な結果を得ることができた。それらの実地調査の結果については理論解析との比較検討も行い、得られた研究成果は2004年7月に米国サンディエゴで開かれるASME PVP Conferenceと同月フランスパリで開かれるFIV Conferenceで発表の予定である。 (2)3次元1/10スケールテンタゲートモデルと循環水槽の製作 1995年に崩壊したフォルソンダム・テンタゲートと幾何学的に相似な3次元1/10スケールモデルを製作し、それを奥行き1m、高さ1.2m、長さ8mの循環型水槽に設置した。本水槽は8tonの貯水槽を持ち、大形、中形、小形3個の遠心ポンプで水位を自動制御できるタイプの高性能な大形水循環設備である。施設に該当する部分については学内予算で完成した。大形設備、施設の製作に相当な時間を要し、平成15年度末に完成した。今後、平成16年度に流体関連複合振動の再現、その詳細な特性の検証を行う予定である。 (3)研究成果の公表 本研究に直接的に関連した研究成果の公表としては、項目(1)でも記載したように、米国とフランスでの2件の発表を2004年7月に予定している。共同研究者C.W.Knisely助教授による米国内での研究調査も含んだ形での研究成果の公表である。他、本研究に関連した研究成果の公表としては、2003年7月の米国での国際会議発表、2003年9月の長崎でのD&D Conferenceでの2件の発表、2004年2月の日本機械学会論文集掲載などがある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Anami, N.Ishii: "Model Tests for Non-Eccentricity Dynamic Instability Closely Related to Folsom Dam Tainter-Gate Failure"Proc.of PVP Conference, ASME (Cleveland, Ohio, USA). July. 1-10 (2003)
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[Publications] 阿南景子, 石井徳章, 鷹野 渉: "傾斜円弧状剛体せきの流体関連回転振動に関する理論解析とその検証"日本機会学会論文集(C編). 第70巻690号. 61-69 (2004)
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[Publications] 阿南景子, 石井徳章, 小野勇介, 白坂宗洋: "フォルソンダム・テンタゲートの大開度放水時における複合発散振動に関するモデル実験"Dynamics and Design Conference 2003 日本機械学会機械力学・計測制御講演会 論文集. No.03-7(CD-ROM). 1-6 (2003)
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[Publications] 石井徳章, 阿南景子, 奥達也: "テンタゲートにおける大開度放水流の動特性に関する研究"Dynamics and Design Conference 2003 日本機械学会機械力学・計測制御講演会 論文集. No.03-7(CD-ROM). 1-6 (2003)
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[Publications] K.Anami, N.Ishii, C.W.Knisely: "Field Vibration Tests and Dynamic Stability Analysis of a Full-scaled Tainter-Gate"Proc.of PVP Conference, ASME (San Diego, USA). July. 1-8 (2004)
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[Publications] K.Anami, N.Ishii, C.W.Knisely: "Valiation of Theoretical Analysis of Tainter Gate Instability Using Full-Scaled Field Tests"Proc.of Flow-Induced Vibrations (Paris, France). July. 1-6 (2004)