2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360134
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Research Institution | The University of Eelctro-Communications |
Principal Investigator |
青山 尚之 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40159306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幸生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10334583)
岩田 太 静岡大学, 工学部, 助教授 (30262794)
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Keywords | ナノ作業 / 超小型ロボット / 細胞内素子 / 微小流動 / NSOMプローブ / 蛍光観察 / 圧電素子 |
Research Abstract |
本課題ではナノメートルの位置決め分解能を有する小型ロボットにより細胞内に極細ガラスプローブを精密に穿刺し,細胞内の生体素子や核移植を可能にすることを最終目的としている.次の段階では蛍光顕微鏡により,生体内の代謝反応やタンパク質の流動などをリアルタイムで計測し、同時に超小型ロボットに搭載した極細計測プローブをナノオーダで操作し、一連の細胞処理システムの構築を実現する. 本年度は下記の成果が得られた。 ・ナノ精度を有する超小型移動機構と細胞の非接触マニピュレーシヨン法の検討 顕微鏡視野内では細胞操作のために、それを搭載する超小型ロボットには平面内の精密並進だけでなく、回転も必要である.そこで圧電素子4個とコの字型電磁石で構成されるインチォーム式の超小型移動機構の開発成功し、顕微鏡焦点の周りに精密に自在に移動させることができた.またこの機構に搭載した極細ガラスプローブを振動させて、その先端近傍に流れる微小流動を利用して、細胞を搬送し、また回転位置決めできることを明らかにした. ・局所熱流動検出方法 細胞レベルでの温度変化を測定するための微小熱電対プローブを作製した。プローブはガラスマイクロピペットをベースとし、Ni、電機絶縁膜、コンスタンタンと順に薄膜を積層させ、先端部でNiとコンスタンタンを接合させる構造とした。特に、このような薄膜層構造では、均質な絶縁膜の形成が重要であるため、ここではDLC膜を選択し、プラズマCVD法によりコーティングする手法を開発した。先端部の金属接合部の作製にはFIBを用いた。次に、プローブの熱電性能を評価し、培養細胞を対象とした温度測定システムをセットアップした。今後、測定システムのノイズ対策・信号処理の改善と、数多くの細胞測定によるデータ収集を実施した。 ・極細プローブによる加工法 SPM用の探針を積極的に応用し、表面の微細な加工法について検討を行った.その結果、先端の液滴をフェムトリットルの分解能で付着させたり、これと紫外線硬化樹脂を組み合わせて微小立体を形成させたりすることに成功している.さらに金属粒子を付着させたDNAの観察にも成功しており、生体内素子の観察の可能性を高めた.
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Research Products
(5 results)