2004 Fiscal Year Annual Research Report
「局所滑り覚」概念導入に基づく予知触知覚情報の取得・呈示法
Project/Area Number |
15360139
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20276413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽滋 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム部門, 研究グループ長 (90166744)
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 皮膚 |
Research Abstract |
昨年作成した局所滑り覚ディスプレイを小型化しハプティックデバイスに装着する可能性を検討するとともに,任意の把持力および摩擦力を加えた把持力制御実験を可能にするために,ICPF(イオン導電性高分子ゲル)アクチュエータをマトリクス状に配置した触覚ディスプレイを設計・製作した。本ディスプレイの振動刺激部は,矩形の中心部と口の字型の周辺部から成り,中心部に圧覚を,周辺部に局所滑り覚を提示することにより,無意識下の把持力の制御を装着者に誘発することを目指すものである。本ディスプレイを被験者の手指に装着し,周波数数Hzの振動刺激を入力したところ,メルケル小体を刺激することにより圧覚を提示できることを確認した。同様に,数10kHzの振動刺激を接触端部入力したところ,マイスナー小体を刺激することにより局所滑り覚を提示できることを確認した。さらに,ある重量の仮想物体を被験者に把持させておき,ある瞬間にステップ状に重量を増加させた場合,同時に数10kHzの振動刺激によりマイスナー小体を刺激した際には被験者が無意識的に把持力を増加させていた。一方,ステップ状に重量を増加させる際に振動刺激を与えなかった場合には,与えた場合よりも把持力増加量が有意に小さいことを確認した。以上より,本ディスプレイを用いれば局所滑り覚の呈示が十分に行なわれていることを確認するとともに,これまで十分に解明されていなかったヒトの把持力制御に関する反射現象を明らかにした。
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Research Products
(2 results)