2003 Fiscal Year Annual Research Report
イットリウム系超電導膜を用いた次世代線材の電磁特性の数値解析による解明
Project/Area Number |
15360146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大崎 博之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10203754)
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Keywords | 超電導 / イットリウム / 次世代線材 / 電磁特性 / 交流損失 / 数値解析 / 高温超電導 / 非線形 |
Research Abstract |
本研究は,イットリウム系(Y系)超電導線材に関し,交流損失を始めとする電磁的特性を詳細に解析可能な数値解析ツールを構築し,諸特性を明らかにすることを目的としており,平成15年度は,超電導体の非線形電界-電流特性(E-J特性)と超電導-常電導転移(S-N転移)を精度よく効率的に解析可能な数値解析ツールの開発と,Y系超電導膜を用いた次世代線材および限流素子の電磁特性解析を実施した。 (1)Y系超電導線材および限流素子の最新開発動向の調査 解析に必要な超電導体のモデルを適切に選択し,必要なパラメータに適切な値を与えるためには,Y系超電導膜を用いる線材および限流器の開発の最新動向を調査することが必要である。そこで,国際会議や学会などへの参加や,文献調査などを通じて,様々な最新のデータを収集,整理した。 (2)数値解析ツールの開発 強い非線形性を有する超電導電磁特性,S-N転移,電磁界と熱伝導および電気回路との連成を扱うことが可能な数値解析ツールの開発を進めてきた。現状では超電導体内の電磁現象を解析するツールが一通り,仕上がっており,交流損失やS-N転移の解析などが可能となっている。,また,解析の効率化なそのために並列計算の導入も進めており,平成15年度では連立一次方程式の解法部の並列化を中心に検討を行い,並列計算による基本数値解析ツールを構築することができた。 (3)線材および限流素子における電磁特性の解析 Y系線材を対象に,n値,外部磁界,超電導薄膜の幅などをパラメータとして,超電導電流分布,交流損失などに代表される電磁的特性を解析を実施し,今後に有益な結果が得られた。また,Y系限流素子については限流特性やそれに対する超電導特性の不均一性の影響についても解析に取りかかった。
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