2004 Fiscal Year Annual Research Report
イットリウム系超電導膜を用いた次世代線材の電磁特性の数値解析による解明
Project/Area Number |
15360146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大崎 博之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10203754)
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Keywords | 超電導 / イットリウム / 次世代線材 / 電磁特性 / 交流損失 / 数値解析 / 高温超電導 / 非線形 |
Research Abstract |
本研究は,イットリウム系(Y系)超電導線材に関し,交流損失を始めとする電磁的特性を詳細に解析可能な数値解析ツールを構築し,諸特性を明らかにすることを目的としており,平成16年度は,Y系線材・素子の電磁特性を詳細に解析するため,高性能コンピュータを使用した数値解析ツールを整備し,Y系超電導線材をベースとする大容量導体,限流素子等における電磁特性の解析を行った。 (1)Y系超電導線材および限流素子の最新開発動向の調査 国際会議や学会などへの参加,および文献調査などを通じて,Y系超電導膜を用いる線材および限流器の研究開発の最新動向を調査し,超電導体のモデリングに必要な最新データの収集,整理を行った (2)数値解析ツールの開発整備 大規模で複雑化した超電導体の電磁現象の解析のために,高性能コンピュータ使用した数値解析ツールの整備を実施した。特に,超電導体のE-J特性,S-N転移,および連成解析等に関するツールの計算効率の改善を図った。 (3)Y系超電導膜の電磁基礎特性の測定 Y系超電導膜の電磁基礎特性の数値解析結果の検証のために,超電導膜小サンプルを用いて電磁基礎特性の実測を行い,データを収集した。 (4)超電導導体および限流素子等における電磁特性の解析 平成15年度のY系線材単体での交流損失特性の解析を発展させ,Y系線材を複数本組み合わせた超電導導体,および応用機器としての限流素子について,その電磁特性の解析を実施した。そのためにまず,Y系線材の集合導体における電磁現象を詳細に把握し,交流損失を見積もるためのツールを開発した。そして無限長の線材を平面的に配置した場合と縦に積層した場合の交流損失特性の相違を明らかにし,その原因を電磁気学的に明確に示した。これらの結果により複合導体構成と交流損失特性の関係を明らかした。
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Research Products
(3 results)