2004 Fiscal Year Annual Research Report
42V自動車用リレー接点でのスチッキング故障と転移突起に関する数値評価研究
Project/Area Number |
15360148
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
窪野 隆能 静岡大学, 工学部, 教授 (80005470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 純哉 静岡大学, 工学部, 助手 (80332691)
長谷川 誠 千歳科学技術大学, 光科学部, 専任講師 (40337100)
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Keywords | 電気接点 / 転移突起 / スチッキング(sticking) / リレー / 電磁継電器 / 42V自動車 / 電装品 / バウンス |
Research Abstract |
本年度は以下の4点で成果を得た。 (1)小型リレーの片持ち梁形式の接点支持片に取り付けた接点対で直流抵抗性回路を開閉させ、突起の成長過程を2方向から撮影できる「ディジタルマイクロスコープ装置」によって、開閉動作100回ごとに突起形状を10万回開閉まで撮影した。多数の試料の突起成長過程を分類すると、(1)円錐形突起が成長するに従って円筒型石筍に近づくこと、(2)正面方向から見た突起形状は石筍形であっても、側面から見た突起の形状は丘状であること、(3)数少ない試料においては側面から見た突起形状が2こぶであり、正面から見た突起形状は1つまたは2つの石筍であること、を見つけた。アーク放電の点弧時に接触面中央で発生したアーク足は支持片の配置で生じた電磁力で、より先端方向に駆動されるために、転移突起はひょろ長くなり丘状となると考えた。 (2)「リレー搭載の電気接点特性測定装置」によって閉成時の電圧と電流の波形を測定し、両波形からスチッキング(sticking)発生時には接点対の衝突直前に溶融金属のブリッジが存在することを発見した。この溶融ブリッジは積層した突起が大きくなるほど発生しやすいことも発見した(電子情報通信学会論文誌Cに掲載)。 (3)低速開離装置を使っての銅接点対の開離時アークの高速写真撮影と分光計測により、アーク輝点の移動・放電光強度に特徴があること(IEICE Transactions on Electronicsに掲載)、アーク消弧時の温度は電気的条件よりも接点材料によって決まる可能性が強いこと(IEICE Transactions on Electronicsに掲載)などを発見した。 (4)レーザ顕微鏡による転移突起・クレータの形状評価および体積計測を精密に行うため、独自のデータ処理ソフトウエアを開発中である。現在までに、レーザ顕微鏡に付属のソフトウエアでは十分な精度が得られなかった傾斜面上および湾曲面上の突起・クレータの体積を比較的精度良く計測できるソフトウエアを開発し、引き続いてその計測精度の向上および操作性の向上のための改良を続けると共に、これを用いて突起・クレータの計測を実施している。
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Research Products
(25 results)