Research Abstract |
近年,数kWから数百kWの出力のマイクロガスタービンが分散電源やコージェネレーション用機器として開発されている。これらのガスタービンの性能をフルに発揮し,高効率の発電システムを実現するためには,減速機を必要としない,10万rpm〜百万rpmの回転数で回転する高効率のマイクロ同期発電機と,その出力を商用周波数の交流電力に変換する周波数変換装置が必要不可欠である。また研究代表者は,超小型圧縮機,高性能熱交換器および超小型膨張タービンを組み合わせた高速CPUの直接空気冷却システムの開発プロジェクトに参加している。これらの実現のためには1〜20kW,回転数20〜100万rpmの超高速電動機とそれを駆動する周波数変換装置が必要不可欠である。 本年度の研究では,巻線設計,鉄心設計,表皮効果の検討,鉄損分布の推定など電気的な設計にとどまらず,回転子の応力計算,臨界速度(危険速度),振動,冷却方法や温度分布の推定,軸受けの設計等,機械的な設計も合わせて総合的に行うことが可能な超高速電動機・発電機の設計法の確立を行った。これにより,目標回転速度300,000rpm,5kWの永久磁石式超高速同期電動機を設計・試作し,これに直結する動力吸収装置,オイル循環冷却システムやシステム架台を作成した。さらに,安定化制御と高効率化制御を利用した高性能V/f制御アルゴリズムを開発し,本小型超高速電動機の駆動実験を行った。この結果より,現在180,000rpmの安定駆動を実現している。固定子の突極構造,集中巻線の採用などの電動機サイズの小型化,製造過程における効率化を目的とした現在の構造が,渦電涜の発生を招き,熱損失を増やすことに至るなど,実験により判明した問題点の解決策を検討中である。
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