2003 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体を用いた巨大電荷制御トランジスタの提案と次世代集積回路への応用
Project/Area Number |
15360157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳光 永輔 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10197882)
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Keywords | 強誘電体 / 電界効果型トランジスタ(FET) / ゲート絶縁膜 / 酸化物導電体 / オン電流 / MOSFET / チタンジルコン酸鉛(PZT) / チタン酸ランタンビスマス(BLT) |
Research Abstract |
本研究の目的は、強誘電体が低電界印加時でも10〜50μC/cm^2という巨大な電荷量を誘起できることに着目し、従来からのSiO_2などの常誘電体に代わって強誘電体薄膜をゲート絶縁膜として用いた電界効果型トランジスタ(FET)を開発し、オン電流の値が現状のシリコンMOSFETで限界と言われる1mA/μmを遙かに超える新しいスイッチング素子を実現することである。初年度の本年度は、基礎的な研究として、強誘電体薄膜の吟味とともに、比較的大きなデバイスを試作して動作原理の検証を行った。本研究で提案するデバイス実現のためには、大きな残留分極をもつ強誘電体薄膜が必要である。本年度は大きな残留分極が得られるチタンジルコン酸鉛(PZT)とチタン酸ランタンビスマス(BLT)を選定し、ゾルゲル法によって様々な条件下で薄膜作製を行ったところ、PZTにおいては、残留分極(2Pr)70μC/cm^2以上、BLTにおいても40μC/cm^2以上が得られた。次にチャネル材料として比較的移動度の大きい導電性酸化物であるインジウムスズ酸化物(ITO)をスパッタ法により成膜し、特性を評価したところ、キャリア濃度が10^<18>〜10^<20>cm^<-3>程度の導電性膜が得られていることを確認した。さらに、強誘電体膜を先に形成してからその上に5〜15nmとごく薄いITO薄膜を形成し、ボトムゲート型のトランジスタを試作した。ドレイン電流-ドレイン電圧特性を測定したところ、典型的なトランジスタ特性を得ることに成功し、1mA程度の比較的大きなオン電流が得られた。このオン電流から、試作したデバイスで使用している電荷量は20μC/cm^2程度と見積もられ、強誘電体ゲート絶縁膜で巨大な電荷を制御するという本研究で提案したデバイスの動作原理を実証することに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kenji Takahashi: "Effect of deposition temperature on the characteristics of hafnium oxide films deposited by metalorganic chemical vapor deposition using amide precursor"Journal of Materials Research. Vol.19. 584-589 (2004)
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[Publications] Naoki SUGITA: "In Situ Raman Spectroscopy Observation of Crystallization Process of Sol-Gel Derived Bi_<4-x>La_xTi_3O_<12>Films"Jpn.J.Appl.Phys. Vol.42,No.8A. L944-L945 (2003)
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[Publications] Shiro Hino: "Charcterization of Hafnium Oxide Thin Films by Source Gas Pulse Introduced Metalorganic Chemical Vapor Deposition using Amino-Family Hf Precursors"Jpn.J.Appl.Phys. Vol.42,No.9B. 6015-6018 (2003)
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[Publications] Kenji Takahashi: "Preparation of hafnium owide films from oxygen-free Hf[N(C_2H_5)_2]_4 precursor and their properties"Applied Surface Science. Vol.216. 296-301 (2003)
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[Publications] Eisuke Tokumitsu: "Sm Doping Effects on Electrical Properties of Sol-Gel Derived SrBi_2Ta_2O_9 Films"Materials Research Society Symp.Proc.. Vol.748. 275-280 (2003)
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[Publications] Naoki Sugita: "Crystallization of Bi_<4-x>LaxTi_3O_<12> films prepared by the sol-gel technique on IrO_2/Ir multi-layered electrode"Transactions of the Materials Research Society of Japan. Vol.28. 153-156 (2003)