2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を利用した超高速・低環境負荷型新規薄膜形成技術の開発
Project/Area Number |
15360162
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 英一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (70304871)
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / Cu / Pt / Ru / ナノマシン / ナノピラー / NEMS |
Research Abstract |
超臨界流体は気体と液体の中間の性質を有した高密度・高拡散性流体で,溶媒能やリサイクル性を兼ね備えた特異な性質を有している。本研究はこれらの性質を利用して,CVDやメッキに替わる,低コストのグリーン薄膜プロセスを構築することを目指している。本法は,超臨界CO_2中に有機金属を溶解させ,そのまま堆積反応を行わせることを特長とする,新規で独自の成膜方法である。 本年度は昨年に引き続き, (1)成膜パラメータを独立制御でき,成膜メカニズムなどの基礎検討を可能足らしめる新規「フロー式成膜装置」の改造および当該装置を用いた成膜基礎検討を行った。本装置は,100気圧以上の高圧の超臨界流体中に低圧の還元剤ガスを連続添加できることが最大の特徴で,安全かつ高精度の実験がはじめて可能となった。本研究では水素を還元剤として用いているが,水素に対するCu原料の比率が大きくなると,微細埋め込み性が低下することを初めて明らかにした。また,従来のバッチ法(非連続一括成膜)に比べて水素濃度を十分高めることができなかったが,水素添加機構の改造により従来法と同じ添加量を確保することができた。 (2)本成膜法の特長を利用すると,MEMSやNEMSに必要な高アスペクト・複雑形状のナノパーツを製作できる可能性がある。これを実証するためにアルミナナノホールやシリコンナノパターンをテンプレート(微細鋳型)として用い,この中に金属を充填したのち鋳型を溶解除去してナノ構造体を作製することに成功した。材料には耐食性の高いPtやRuを採用し,径50nm高さ1500nm程度の超高アスペクトピラーや,ナノウォールを作製した。さらに,超臨界乾燥法を用いることで安定に超高アスペクト構造を作製できた。 以上総括すると,本年度は成膜メカニズム検討およびそのための装置の性能向上と,NEMS(ナノマシン)用パーツプロセスの開発を行い成果を上げることができた。
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Research Products
(7 results)