2005 Fiscal Year Annual Research Report
希土類元素添加半導体を基盤とした波長超安定新規発光デバイスの高性能化
Project/Area Number |
15360164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 康文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10181421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 博 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30133929)
竹田 美和 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (20111932)
宮本 智之 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (70282861)
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Keywords | 希土類添加III-V族半導体 / 新規半導体レーザ用材料 / 原子レベル制御成長 / 誘導放出 / エルビウム / ダブルヘテロ構造 |
Research Abstract |
本研究では、これまでの研究成果を大きく発展させ、「電流注入による希土類元素発光準位を介する誘導放出」を用いた光情報通信帯域波長超安定新規半導体レーザ実現の可能性を探ることを目的とする。我々は既に室温・電流注入下で動作するEr発光ダイオードの試作に成功している。 本年度は、発光デバイス特性の高性能化を目的に、その活性層に使われているEr,O共添加GaAsにおける非平衡キャリアダイナミクスとEr光励起断面積を調べた。得られた知見を以下にまとめる。 (1)GaAs:Er,Oにおける光励起キャリアダイナミクスをポンプ・プローブ光反射率測定により調べた。その結果、Er濃度に依存してピコ秒の時間スケールで発現する特徴的な緩和プロセスを見出し、それがErトラップによるキャリア捕獲によることを明らかにした。一方、Er濃度に依存しない緩和プロセスも同時に観測され、Erトラップに捕獲された電子-正孔対によるErイオンの4f殻励起に対応するものと考えられる。 (2)Er添加濃度が異なる試料において、発光強度のフォトンフラックス密度依存性および時間展開を解析することによりEr光励起断面積を見積もった。いずれの試料においても低励起条件では発光強度はフォトンフラックスに対して直線的に増加するのに対して、高励起条件では飽和していく傾向が見られた。このことは発光強度がEr-20発光中心の濃度により律速されていることを示唆している。Er励起断面積は、高濃度試料(Er添加濃度:7x10^<18>cm^<-3>)では4x10^<-16>cm^2、低濃度試料(8x10^<17>cm^<-3>)では1x10^<-15>cm^2となり、Er濃度に依存する非輻射プロセスが存在することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)