2004 Fiscal Year Annual Research Report
形状制御した量子ドットによる偏光無依存吸収端の実現
Project/Area Number |
15360166
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
喜多 隆 神戸大学, 工学部, 助教授 (10221186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 修 神戸大学, 工学部, 教授 (90335422)
中田 義昭 富士通研究所, フォトノベルテクノロジ研究部, 主任研究員
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Keywords | 量子ドット / 偏光制御 / 光増幅器 / 分子線エピタキシー / フォトルミネセンス / 顕微分光 |
Research Abstract |
光増幅デバイスは光通信における光源レーザ、光ファイバ、受光デバイスを機能的に融合させるキーデバイスである。特に半導体光増幅(Semiconductor Optical Amplifier : SOA)デバイスは半導体の自在なバンド構造設計技術を生かして多波長光通信に適している。しかし、SOAには増幅特性に偏光異方性がありデバイス構成上大きな制約を受け、利用の用途が限定されている。これを克服するためには偏光に無依存な吸収端の実現が不可欠であるが未だ実現されていない。本研究では偏光無依存基礎吸収端の実現を目指して量子ドットの形状と光学遷移の偏光異方性の関係に着目した研究を行った。 (1)原子レベルで制御したスタック型(コラムナ)量子ドットの結晶成長 原子レベルで制御した結晶成長を実施するために、分子線エピタキシー結晶成長の自動制御システムを導入した。これによってウェッティング層を原子レベルで制御したInGaAs量子ドットを作製し、これをスッタクしてアスペクト比の異なるコラムナ型の量子ドットを精密に作製することに成功した。 (2)μPLによる発光、光吸収特性の評価 劈開端面のμmのスケールの領域からのフォトルミネッセンスを超高感度に計測した。この装置を用いて端面発光の偏光特性解析を行い、(1)で作製されたさまざまな量子ドットに対してドット形状と偏光特性との相関関係を明らかになった。特に、当方形状における偏光無依存特性の出現を初めて見いだした。また、分光したランプによる超弱励起下でのフオトルミネッセンスの励起スペクトルを測定して、吸収スペクトルを詳しく調べることによって、励起キャリアの活性化プロセスを解明し、超高速応答特性に関わる、エネルギー準位の制御に関わる指針を得た。 (3)半導体光増幅デバイスの試作と、基礎特性評価 量子ドットを活性層にもつ半導体光増幅デバイスを試作し、フォトルミネッセンス特性と電流注入によるエレクトロルミネッセンス特性を詳細に調べ、電流駆動時の偏波特性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)