2004 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ光イメージング用超伝導トンネル接合の高機能化
Project/Area Number |
15360168
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
諸橋 信一 山口大学, 工学部, 教授 (20304488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 宏 国立天文台, 天文機器開発実験センター, 助教授 (90192749)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
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Keywords | 超伝導トンネル接合 / Nb / Al-AlOx-Al / Nb接合 / 電子ビーム励起プラズマ |
Research Abstract |
電子ビーム励起プラズマは、所定のガスが最も電離しやすいエネルギー分布の電子ビームを照射することにより、効率よく所定のガスのプラズマを形成することができる。本科研費で製造した,この電子ビーム励起プラズマ支援4元マグネトロンスパッタ装置(以下,EBEPと略記)を用いて、(1)チャンバー内に4つのマグネトロンスパッタ源を備え、同一真空中で4つの異なる金属薄膜積層構造の作製が可能,(2)電子ビームガンからエネルギーの揃った電子ビーム照射により、電子ビーム励起プラズマ支援マグネトロンスパッタが可能,(3)エネルギーの揃った電子ビーム照射により、プラズマ窒化やプラズマ酸化でピンホールのないトンネルバリア形成が可能,という特徴をもつ。高品質な接合を作製するために,電子ビーム(EB)照射の有無によるNbおよびAl堆積薄膜の膜質の違いを比較した。 EB照射をしない通常のマグネトロンスパッタの場合と比べて,EB照射を行った電子ビーム励起プラズマ支援マグネトロンスパッタでは,Al堆積速度が最大30%増大する結果が得られた。また、Al薄膜の表面平滑性がEB照射により向上することが判った。Nb薄膜に関しては,(1)Nb堆積速度の増加,(2)Nb薄膜の膜質の度合いを表す残留抵抗比(RRR)の増加,(3)Ar圧力0.20Pa〜0.60Paで作成したNb薄膜において内部応力の軽減が得られた。電子ビーム照射でArガスが効率よく電離したためと考えられる。これらの結果から,高品質な電磁波検出器用超伝導Nb/Al-AlOx-Al/Nbジョセフソン接合を作製するための見通しが得られた。
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Research Products
(4 results)