2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上に於けるSiGe局所結晶の低温方位制御とデバイス応用
Project/Area Number |
15360169
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮尾 正信 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20274491)
権丈 淳 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (20037899)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / ディスプレイ / シリコン / 結晶成長 |
Research Abstract |
トランジスタの能動領域は直径数μm以下である。従ってガラス上の局所領域(直径:数μm程度)に結晶方位の制御されたSiGe半導体を低温度(500℃以下)で形成できれば、ガラス上で集積回路が実現する。即ち、システムインデイスプレーが可能となる。 結晶成長の種となる結晶核は非晶質SiGe内部に於いては三次元的に、又、非晶質SiGe/ガラス界面に於いては二次元的に発生する。前者は等方媒質中の現象であるから、結晶核はランダムな方向を向く。後者は異種媒質(SiGe、ガラス)に挟まれた遷移領域の現象であるから、結晶核の向きを規定する要因が発生する。即ち、非晶質SiGe内部の核発生を完全に抑制し、二次元な界面核のみを優先発生する事が結晶方位を制御する鍵となる。 本年度は、固相成長の低温化を目指し、Ge濃度の高いSiGe層で構成される多層構造(SiGe/Si/ガラス)の固相成長を系統的に検討した。その結果、多層構造の固相成長特性が、SiGe/ガラス界面に挿入するSi層の膜厚に大きく依存する事を明らかにした。即ち、挿入Si層が臨界膜厚(〜3nm)より厚い場合は、SiGe/Si界面で高密度の核形成が発生した。一方、臨界膜厚のSi層を挿入すれば、核形成が低密度に発現し、ディスクリートに局所結晶が実現した。挿入膜厚が臨界値以下では、核形成速度は減少した。これらの複雑な現象は、SiGe/Si界面における原子混合に着目したモデルで解釈可能である事を明らかにした。これらの結果は、ガラス上に於けるSiGe局所結晶の制御に新たな道を拓く成果である。
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Research Products
(6 results)