2005 Fiscal Year Annual Research Report
超低損失・透磁率制御型ナノ構造ソフト磁性材料の開発と応用
Project/Area Number |
15360170
|
Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正基 長崎大学, 工学部, 助教授 (20274623)
柳井 武志 長崎大学, 工学部, 助手 (30404239)
|
Keywords | 磁性 / ナノ材料 / 電子・電気材料 / クリープ / 電子デバイス・機器 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において,磁気損失をフェライトコアの1/3以下に抑制しつつ,透磁率制御を行う技術を開発し,高性能透磁率制御型磁気コア用磁性薄帯を作製することができた。また,直流重畳特性の観点からは,従来のフェライトコアに比べてコアサイズを1/3にすることに成功した。そこで,この薄帯のコアへの応用を容易にするために,透磁率制御のための必要応力の抑制と高速熱処理の両立を検討し,ジュール加熱による応力下連続焼鈍法を開発した。 開発した方法は,応力を印加した薄帯を電極に接触させながら高速で移動させながら連続熱処理する方法で,大気中での処理が可能である。薄帯の移動速度を変えて実験を行ったところ,開発装置の最高移動速度である200cm/minにおいても磁気特性の劣化なしに透磁率を所望の値に制御することができた。この結果は,1秒程度の短時間熱処理で薄帯に所望の磁気異方性を誘導できることを示唆している。また,この方法では,必要な応力値をバッチ処理の場合に比べて,約2/3に低減できることも明らかになった。 作製した装置を用いて薄帯試料からトロイダルコアを作製し,その磁気特性を従来型の透磁率制御コア(フェライトコア,アモルファスパウダーコア,センダストパウダーコア)と比較した。開発コアの透磁率は,本研究での測定可能範囲(2MHzまで)では,ほぼ一定であり,その磁気損失は従来型の透磁率制御型コアのそれに比べて,十分に小さい値であった。 以上の過程を経て,その磁気損失がフェライトコアの1/3,サイズを1/3に小型化した超低損失・透磁率制御型ナノ構造薄帯コアの工業化を可能にする基礎技術を確立できた。
|
Research Products
(6 results)