2003 Fiscal Year Annual Research Report
分離型レーザアブレーション法開発による酸化・窒化物・有機ナノ複合構造体の創製
Project/Area Number |
15360171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蛯原 健治 熊本大学, 工学部, 教授 (50035060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 知顯 熊本大学, 工学部, 教授 (20136518)
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Keywords | レーザアブレーション / オゾンラジカル / 酸化亜鉛薄膜 / p型ZnO / 光発光デバイス / 有機薄膜 / Alq3 / TPD |
Research Abstract |
本研究の基幹装置である分離型レーザアブレーション装置を製作し、予備実験としてレーザ生成プラズマの振る舞いの観測と分離型装置の堆積部における、酸化亜鉛薄膜の堆積を行った。その結果、レーザアブレーション室における雰囲気と堆積部の雰囲気を制御することが、高品位膜生成に有効であることが実験的に示された。 この薄膜堆積過程で、薄膜の堆積速度を増加する目的で、バイアス電圧効果を調べ、正直流電圧500Vにおいて堆積速度の顕著な増加が見られ、負バイアスによる効果は顕著でなかった。 各種ラジカルを薄膜堆積部に供給し、酸素や窒素などの薄膜への取り込みを促進し併せて基板温度などのプロセス条件を緩和することを目的としており、現有オゾン生成装置の改善とオゾナイザ電源と電極を新しく設備した。誘電体バリヤ放電を用いた装置では、10,000ppmまで連続濃度可変が出来る装置が出来た。新規購入のオゾナイザー装置では長時間にわたり高濃度(50,000ppm)が生成可能であり、この2種類の装置で酸化物薄膜の生成を制御性良く生成できる基盤が出来上がった。 従来から有するレーザアブレーション装置により、p型を示す酸化亜鉛薄膜の作製をオゾンラジカルを用いて行った。レーザエネルギー密度3J/cm^2,オゾン含有酸素雰囲気圧力10mTorr,基板温度400℃の条件で、酸素雰囲気ガス中のオゾン濃度が3000-5000ppmの範囲でp型ZnO特性を有することが再現性良く明確に示された。 次に、有機発光薄膜をレーザアブレーション法により作製する試みを実施した。8-キノリノールアルミニウム錯体(Alq_3)とジアミン誘導体(TPD)をターゲットとして有機薄膜作製を行った。エキシマレーザ(248nm),Nd : YAGレーザの基本波(λ=1064nm)及び第2高調波(λ=532nm)を使用した。Alq_3ではλ=530nm付近に吸収帯を持つことから,532nmNd : YAGレーザが効率よく吸収され良質な薄膜が作製された。KrFエキシマレーザを用いて作製したTPD薄膜では,真空蒸着法やNd : YAGレーザを用いた場合に比べ,膜表面は非常に滑らかであった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tamiko Oshima, Tomoaki lkegami, Kenji Ebihara, Raj Kumar Thareja: "Photo-excited photonic characteristics of ZnO thin films deposited by laser ablation method"Willey, Electrical engineering in Japan. 144, No3. 1-7 (2003)
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[Publications] K.Ebihara, T.Tanaka, T.Ikegami, K.Yamashita, Y.Oyama: "Application of the dielectric barrier discharge to detect defects in a Teflon coated metal surface"Journal of Physics D : applied physics. 36. 2883-2886 (2003)
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[Publications] K.Ebihara, T.Oshima, T.Ikegami, Raj K.Thareja: "C0-doping deposition of p-type ZnO thin films using KrF excimer laser ablation"Materials research society symposium proceedings. 747. 241-246 (2003)
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[Publications] Kenji Ebihara, Paik-Kyun Shin, Tamiko Ohshima, Tomoaki Ikegami: "Organic and inorganic light emitting thin filmas using pulsed laser ablation in nitrogen and oxygen radical atmosphere"Proceedings of 16^<th> International Symposium on Plasma Chemistry (Taormina, Italy, June22-27, 2003). Po.13.3. 1-6 (2003)
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[Publications] Kenji Ebihara, Tamiko Ohshima, Tomoaki Ikegami, Raj K.Thareja: "Ultraviolet luminescence emitted from ZnO nanostructural films by KrF pulsed laser deposition"Materials research society symposium proceedings. 728. 195-200 (2003)
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[Publications] 蛯原, 大島, 栗原, 池上: "分離型レーザアブレーション法開発と光発光薄膜作製"電気学会研究会資料 光デバイス研究会. OQD-04-6. 29-33 (2004)