2004 Fiscal Year Annual Research Report
オーバーサイズ導波管を用いた短ミリ波帯空間電力合成器の研究
Project/Area Number |
15360180
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
べい 鐘石 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20165525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮 電気通信大学, 情報通信工学科, 助手 (30333892)
木村 高志 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60225042)
小田 昭紀 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (70335090)
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Keywords | 空間電力合成 / 周波数逓倍 / 短ミリ波 / ガンダイオード / オーバーサイズ導波管 |
Research Abstract |
本年度は、ガンダイオード10素子以上による多素子電力合成器開発を目的に研究を進めた。 先ず、ダイオード3個を用いたテスト用小型電力合成器を用いて、逓倍波出力を最大にする最適な出力導波管構造について、前年度構築した逓倍波電力合成器に対する等価回路を用いて理論的に検討した。その結果から、基本波電力を全反射し、かつ逓倍波電力は90%以上透過させるテーパー型出力導波管構造を新たに導入した。その結果、電力合成効率67%、最大出力140mW、を中心周波数97GHzで達成した。この出力は、以前のステップ型出力導波管結合器に比較し約1.6倍に相当する。また、この出力導波管構造の最適化により、機械的な周波数同調範囲が約2倍向上し、中心周波数に対して約10%(〜9.7GHz)の範囲で周波数可変となった。これは、基本波で動作するガンダイオード単体での発振周波数同調範囲に匹敵する大きな値である。この結果は、本逓倍波電力合成器が、高い出力だけでなく、高い周波数可変性を実現できる短ミリ波帯発振器であることを示している。 本研究の目標である1Wの出力を得るため、上記結果に基づき、多素子高出力電力合成器の開発を行った。この様な多素子によるコヒーレントな電力合成を行うためには、特性のそろったダイオード素子を用いる事が必要不可欠となる。そこで、先ず、購入した25個のガンダイオードの各発振特性を実験的にそれぞれ調べ、1%以下で特性が一致する15素子を選択した。この測定を通し、同一ロットで製作されたガンダイオードの特性のバラツキは、大きくても数%以下である。しかし、同じ型式のガンダイオードでも、同一ロットでない場合には、10%以上のバラツキがあることが分かった。次に、5x3素子アレイ用電力合成器を等価回路を用いて新たに設計し、その製作を完了した。
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Research Products
(3 results)