2005 Fiscal Year Annual Research Report
オーバーサイズ導波管を用いた短ミリ波帯空間電力合成器の研究
Project/Area Number |
15360180
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
ベイ ジョンソク 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20165525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 高志 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60225042)
小田 昭紀 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (70335090)
石川 亮 電気通信大学, 情報通信工学科, 助手 (30333892)
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Keywords | 空間電力合成 / 周波数逓倍 / 短ミリ波 / ガンダイオード / オーバーサイズ導波管 |
Research Abstract |
本年度は、研究目標の一つであるWバンド帯で1Wの電力合成出力を得ることを目的に、2逓倍動作型ガンダイオードの素子数を3素子から15素子へと大幅に増加させ、動作実験を行った。電力合成用共振器としては、高い電力合成効率を達成した3素子用共振器を拡張し、横5列、縦3列の5×3導波管アレイを試作し用いた。その結果、ダイオード15素子のコヒーレントな電力合成に初めて成功し、本オーバーサイズ導波管型共振器が、10素子を越える比較的大きな素子アレイに対しても有効に働くことを実証した。 一方、多数素子を用いた場合の問題点も同時に明らかとなった。詳細な実験結果から、3素子合成時には問題とならなかったダイドード特性のバラツキと15個の導波管部の僅かな寸法誤差が電力合成動作に強く影響し、合成効率低下と動作周波数範囲の狭帯域化を招く。この結果、当初予想していた電力合成効率60&以上、周波数同調範囲10%に対し、効率23%(出力250mW)、同調範囲4%に止まった。素子数を変えた実験と、等価回路を用いた理論検討の結果、これらの問題は、素子取り付け部および出力導波管部の構造を変更し、より素子と共振器との結合を強めること、従来±20μm程度の共振器製作精度を高めること、で解決できるとの知見を得た。 ヘテロストラクチャー・バリア・バラクター(HBV)素子を、そのインピーダンス(16Ω+j126Ω@94GHz)を考慮し、上記電力合成器への組込方式を検討し、電力合成器出力モードをH-ベンド導波管によりTE_<10>モードへ変換した後、HBV平面アレイに入射させる方式が、微細加工を必要とするHBVアンテナアレイ製作上、適しているとの結論を得た。そこで、H-ベンドモード変換器を実際に設計・製作し、93GHz帯での動作確認を終了した。今後、電力合成器の改良およびHBVアレイの製作・実験へと進める予定である。
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Research Products
(5 results)