2003 Fiscal Year Annual Research Report
津波観測に利用可能な高耐圧・高感度光集積回路圧力センサの開発
Project/Area Number |
15360186
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大河 正志 新潟大学, 工学部, 助教授 (90213644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝 新潟大学, 工学部, 教授 (10143752)
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Keywords | 圧力センサ / 光集積回路 / ダイヤフラム / 津波検出 |
Research Abstract |
本研究では,津波観測に利用可能なダイヤフラム式光集積回路圧力センサを開発することを目的としている。本センサは,一般的なダイヤフラム式光集積回路圧力センサの構造をベースにし,ダイヤフラム下部を密閉して,そこに圧力伝搬遅延部(小孔)を作り付けることで,高耐圧・高感度を同時に実現する。つまり,ダイヤフラム下部は,小孔が設けられた半密閉空間となっている。センサを静圧下においた時は,小孔があるためセンサ周囲の圧力と半密閉空間の圧力は等しく,ダイヤフラムに圧力差は生じない。一方,センサ周囲の圧力が急変した場合は,小孔により流体の移動量が制限されるため,半密閉空間の圧力は徐々にしか変化できず,ダイヤフラムに圧力差が生じる。そして,この誘起圧力差は時間とともに0に戻っていく。したがって,このセンサは,通常の圧力センサとは異なり,圧力変化が生じた時にのみ出力が変化するという特性をもつ。 平成15年度は,実際にセンサを試作し,その基本的特性の評価を行った。試作したセンサのダイヤフラムサイズは14mm×14mm×0.22mmで,小孔の大きさは93μm×25μmである。また,ダイヤフラム下部の半密閉空間の体積は14mm×14mm×1.8mmとした。測定では,試作センサを30cm×28cm×30cmのアクリル板で作った密閉容器の中に設置し,密閉容器の圧力をステップ状に0.78kPaだけ上昇させた。その結果,圧力変化後1.4秒間,センサ出力の変化が観測され,その後再び定常値に戻った。変化が観測された1.4秒の間,センサ出力は最大で定常値の約20%減少した。理論によると,圧力変化から1.4秒後の誘起圧力差は,圧力変化直後に生じる最大圧力差の約10%程度と推測され,時間的に実験結果とよく一致している。
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Research Products
(1 results)