2005 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネル素子を用いた極限高速集積回路技術の研究
Project/Area Number |
15360187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前澤 宏一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90301217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 孝 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70273290)
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Keywords | 共鳴トンネル / 集積回路 / 論理ゲート / ADコンバータ / InP / InGaAs / InAlAs / HEMT |
Research Abstract |
共鳴トンネルダイオードは712GHzの発振や、THzを超える応答性が報告されている超高周波デバイスである。本研究は、これを用いて従来技術では不可能な超高速集積回路技術を開拓することを目指している。 今年度はMOBILEの特徴を活かして超高性能なΔΣ型AD変換器を構成するための研究を進めた。ここでは、特にAD変換の性能を決める最も重要な要素であるΔΣ変調器の高性能化に注力した。昨年度、提案した周波数変調(FM)中間信号を用いるΔΣ変調器について、高性能化のための問題点とその解決策を検討した。本方式を実用化する上で最も大きな問題点は広い変調範囲と高い線形性を持つ電圧制御発振器(VCO)を必要とする点である。FM信号変調範囲がそのまま入力信号の大きさとなるため、非常に広い周波数変調範囲が要求される。しかし、FM中間信号の搬送波の周波数f_cを高くすることが可能ならば、f_cに対する変調幅Δfの割合Δf/f_cを小さくすることが出来るため、VCOに対する条件が大幅に緩和される。通常、サンプリングは2f_c<f_sで行うが、f_c, f_s, Δfにある条件を与えると、2f_c>f_sでもサンプリングが可能となる(サブサンプリング方式)。この方式を使えば、f_cを高くしてVCOに対する要求条件を緩和することが出来る。ただしこれを実現するためには、非常に高速な量子化器が必要である。MOBILEを用いることによりこの条件をクリアできると考え、検討を行った。その結果、f_c=15GHz, f_s=4GHzにおいても良好なノイズシェーピング特性が得られることを実証した。本方式を用いることにより、高いダイナミックレンジをもつ高速ΔΣADCが作成可能と考えられる。
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Research Products
(5 results)