2003 Fiscal Year Annual Research Report
弾性波素子と半導体回路を一体化した機能性モジュールに関する検討
Project/Area Number |
15360200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橋本 研也 千葉大学, 工学部, 助教授 (90134353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 達也 千葉大学, 工学部, 助手 (60302527)
山口 正恆 千葉大学, 工学部, 教授 (00009664)
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Keywords | 弾性表面波 / モジュール / フィルタ / 電力増幅器 / インピーダンス整合 / 銅電極 / SAW / 超音波 |
Research Abstract |
本研究は、弾性波素子と半導体回路を一体化することによって実現される機能モジュールの可能性について多面的に検討することを日的としている。 まず、集積化による効果について検討した。そして、現在弾性波フィルタとして多用されている素子構造の場合、設計における仕様の変更によりこれまでのフィルタ機能に加え、インピーダンス整合機能が付加できることを示した。即ち、最適設計の基では、フィルタの通過帯域幅もしくは挿入損失とのトレードオフにより、負荷の容量性を相殺できる。 次に、この様な応用に最適な弾性表面波素子用基板として、銅電極/15゜YX-LiNbO_3基板構造を提案した。これまで、アルミ電極/15゜YX-LiNbO_3基板構造を利用すると極めて広帯域な弾性表面波デバイスを実現できることが知られていたが、非常に厚いアルミ電極を必要とし、微細加工が容易でなかった。アルミの代わりに銅を利用すると、必要とされる電極膜厚が約半分となる。しかも銅の電気抵抗は小さく、超音波損失も小さいと考えられ、電極材料としての利用に適している。実際にGHz帯フィルタを試作し、1.7GHz付近で最少挿入損失0.7dB、-3dB比帯域幅15%という極めて優れたフィルタ特性が得られた。ただし、種々のかなり強い不要応答が観測され、また通過域上端付近で挿入損失が増大しており、これらを改善すべく、現在更なる検討を進めている。 さらに、弾性波素子に基づく新しい機能回路として、可変フィルタ並びに高効率電力増幅器を有望視し、それらの具体的回路構成を提案している。現在、個別半導体素子と弾性波素子組み合わせたデモンストレータを試作すべく、準備している。 なお、一体化技術については、様々な手法を並行して検討し、最適な手法を探索している段階である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hashimoto, T.Omori, M.Yamaguchi: "Application of SAW Devices to Matching Elements in RF Circuits"Proc.IEEE Ultrasonics Symposium. 407-410 (2003)
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[Publications] K.Hashimoto, H.Asano, T.Omori, M.Yamaguchi: "Ultra Wideband Love Wave Devices Employing Cu-Grating/Rotated-YX-LiNbO_3-Substrate Structure"Technical Digest, IEEE Microwave Symposium. (印刷中). (2004)
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[Publications] K.Hashimoto, H.Asano, T.Omori, M.Yamaguchi: "Ultra-Wideband Surface Acoustic Wave Devices Using Cu-Grating/Rotated-YX-LiNbO_3-Substrate Structure"Japanese Journal of Applied Physics. (印刷中). (2004)
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[Publications] H.Asano, K.Matsuda, N.Yokoyama, K.Hashimoto, T.Omori, M.Yamaguchi: "Ultra-Wideband Surface Acoustic Wave Devices in GHz Range on Cu-Grating/Rotated-YX-LiNbO_3-Substrate Structure"Proc. 2nd International Symposium on Acoustic Wave Devices for Future Mobile Communication Systems. 227-232 (2004)
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[Publications] 橋本研也: "SAWデバイスの現状と今後の課題"電子情報通信学会技術報告. ED2003-236. 1-8 (2004)
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[Publications] 浅野裕基, 大森達也, 橋本研也, 山口正恆: "Cu電極/LiNbO_3基板構造を用いた超広帯域ラブ波型SAWデバイス"圧電材料・デバイスシンポジウム予稿集. 49-52 (2004)