2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルコフ性を有するカオス拡散符号を用いた非同期DS/CDMAシステム
Project/Area Number |
15360206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
香田 徹 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20038102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大濱 靖匡 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20243892)
實松 豊 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (60336063)
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Keywords | 非同期DS / CDMAシステム / スペクトル拡散符号 / 独立同分布 / 同期捕捉 / ニューラルネットワーク / マルチユーザ受信器 / マルコフ連鎖 / カオス力学系 |
Research Abstract |
CDMAの受信方式は,事前情報の前提により2つに大別できる.割り当てられた一人分の擬似乱数しか利用できないシングルユーザ受信と,同時利用者すべての擬似乱数を利用できるマルチユーザ受信(MUD)である.受信器が送信された信号とタイミングを取ることを同期捕捉と呼ぶが、MUD技術を利用すれば従来よりも多くのユーザを許容することができる反面、同期捕捉がさらに難しくなる。 本年度の結果は以下にまとめられる.1)MUDの一つである干渉除去法を用いた同期捕捉法に関する結果をまとめた論文が英文論文誌IEICEに受理・掲載された.2)統計学に基づく判定法による同期捕捉法を新たに提案した.これは,本来連続値の相関器出力を適当な閾値により2値化することで,回路規模を縮小できる.しかも,統計学的視点から十分な精度と効率性が確認されたので,英文論文誌IMAに掲載された.3)MUD受信器がニューラルネットワークにおける連想記憶モデルの動作原理と同一であり,MUD受信器と従来の相関受信器の構造が,連想記憶における係数重みの決定法(相関型・直交射影型)に対応していることを示した.さらに,非同期CDMAから導かれるニューラルネットワークを提案し,このネットワークがまったくランダムなパターンよりも,マルコフ連鎖をなすパターンを記憶しやすいことを示した.4)非同期CDMA通信の誤り率特性が,擬似乱数である拡散符号とチップ波形の2者に依存することを指摘した.これは,同期CDMA通信とは大きく異なる特徴である.すなわち,最適な拡散符号はチップ波形の設計に深く関係し,前述のイタリアの研究者によるマルコフ符号は,チップ波形が矩形の場合に限られる.一方,理想帯域制限フィルタを用いる場合は,独立同分布(independent and identically distributed)2値系列が最適となる.この結果は,査読付き国際会議で公表された.
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Research Products
(6 results)