2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360216
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森泉 豊栄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 寛 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80293041)
中本 高道 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20198261)
岩崎 好陽 東京都環境科学研究所, 応用研究, 部長
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Keywords | ガス検知管 / 光学スキャナ / 悪臭分布 / 無電源センサ / ディジタルカメラ / 金属ポリフィリン / 画像処理 / センサネットワーク |
Research Abstract |
本研究では簡便かつ安価な光学式悪臭センサを開発し、センサネットワークにより情報収集して悪臭分布を計測するシステムの開発を目的とする。本年度はセンサ部に関して基礎的な検討を行った。まず、悪臭に応じて色変化を起こす発色プレートについて検討した。金属ポリフィリン等の色素はアミン系や酸性ガス等悪臭にさらすとその色が変化する。これらの色素をシリカゲルプレート上に滴下してプレート上に固定化し、その色変化をスキャナで読み取る装置を構成した。その結果、トリエチルアミン(腐敗臭)に関してppmオーダの濃度でも検出できることがわかった。 次に市販のガス検知管を用いて悪臭濃度の自動計測を行う方法を検討した。検知管に対象臭を吸引して流しながら、変色層境界の移動する様子をスキャナでモニタして決定する。スキャナから得られた画像には大きな雑音が混入しているので、画像処理によりその雑音を取り除く。その結果、メチルメルカプタン、硫化水素等の悪臭濃度の自動計測が可能なことがわかった。また、濃度の時間変化に関しても検知管の端まで変色するまでは計測できることがわかった。それから、メチルメルカプタン、硫化水素の間に干渉がないことも確認した。 さらに長期間測定用検知管を用いて、悪臭濃度分布を測定することを試みた。多数の検知管を2次元状に配置する。各検知管は電源等を必要とせず、悪臭にさらすだけで色変化が生じる。それらをディジタルカメラで1枚の写真として撮影してその中から各検知管の画像を抽出し、画像から各検知管の変色長を求め、その場所の濃度を算出する。そして、一定時間間隔で撮影すれば動的な濃度変化を知ることもできる。風胴内にトリエチルアミンを放出して、その発生源の濃度をパルス状に変化させたり、小型ファンを用いてプルーム方向を変化させたりした結果、これらの変化を反映した動的濃度分布を得ることに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉岡, 田中, 中本, 森泉: "長時間測定用検知管アレイを使用した悪臭分布測定の研究"電気学会全国大会. 3. 214-214 (2004)
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[Publications] 田中, 吉岡, 中本, 森泉: "光学スキャナとガス検知管を組み合わせた悪臭センシングの研究"電気学会全国大会. 3. 215-215 (2004)
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[Publications] Y.Tanaka, M.Yoshioka, T.Nakamoto, T.Moriizumi: "Study of bad-smell sensing system using gas detector tube combined with optical scanner"Proc. APCOTMNT. (accepted). (2004)
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[Publications] W.Tsujita, S.Kaneko, T.Ueda, H.Ishida, T.Moriizumi: "SENSOR-BASED AIR-POLLUTION MEASUREMENT SYSTEM FOR ENVIRONMENTAL MONITORING NETWORK"The 12^<th> International conference on Solid state Sensors, Actuators and Microsystems, Boston, TRANSDUCERS'03. 2E36. 544-547 (2003)
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[Publications] 森泉: "匂いセンサの最近の進歩(その1)"フレグランスジャーナル社. 4,2. 74-77 (2003)
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[Publications] 森泉: "匂いセンサの最近の進歩(その2)"フレグランスジャーナル社. 4,3. 64-77 (2003)