2004 Fiscal Year Annual Research Report
未利用天然資源であるシラスを骨材とするコンクリートの実用化研究
Project/Area Number |
15360232
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武若 耕司 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (10155054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近田 孝夫 新日鐵高炉セメント(株), 技術センター, 所長
添田 政司 福岡大学, 工学部, 助教授 (50148871)
松本 進 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00041567)
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
山口 明伸 鹿児島大学, 工学部, 助手 (50305158)
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Keywords | シラス / シラスコンクリート / シラスマップ / 試験方法 / 製造システム / 設計施工マニュアル / 耐久性 / 実用性 |
Research Abstract |
1.シラス細骨材の品質調査とシラスマップ(データベース) シラスは、採取地域やその地層年代によりその性質が大きく異なる。そこで、昨年度から引き続き,鹿児島県内で合計37箇所のシラスに対し、物理的特性(密度、実績率、微粒分量、粗粒率等)および化学的特性(化学組成、アルカリ骨材反応性等)を調査し、地質・地層学的見解を考慮した上で、コンクリート用骨材としての適用範囲を明確にし、材料学的な見地からのデータベースとそれに基づいたシラスマップを作成した。 2.シラス細骨材に対する各種試験方法 シラスは一般の骨材とはかなり異なる物理化学的性質を有する。そのため、JIS規定等の従来の方法では測定できない物性試験が少なくない。そこで、シラスの特性を考慮した各種試験方法の改良について検討し、密度・吸水率試験、粗粒率試験等について、妥当性と再現性の高い新たな試験方法を提案した。 3.製造システムの検討 室内実験および生コンプラント等での試験の結果を基に、シラスの準備(採取、調整、貯蔵)から、必要性能を満足するためのシラスコンクリートの配合設計・練混ぜ・打設・養生、さらに検査・受け入れに至るまでの一連の製造システムに関する知見を整理し、現段階における最適システムを確立した。また、これらの成果を「シラスを細骨材として用いるコンクリートの設計施工マニュアル(私案)」として取り纏めてた。 4.耐久性の検討 シラスコンクリートおよびシラスと海砂を混合して作製したコンクリートの長期耐久性(中性化、塩分浸透性、耐硫酸塩性、アルカリ骨材反応性)を暴露試験により検討し、各種環境におけるこれらのコンクリートの耐久性や混合使用におけるシラス混入量が耐久性に及ぼす影響などを確認した。また,特にシラスコンクリートは,硫酸環境下での耐久性に優れていることが確認されている。 5.実用性の検討 上記3の製造システムに基づき、今年度の研究では,橋梁基礎、PC橋桁などの実構造物へのシラスコンクリートの適用についても検討を行い,その結果に基づき,温泉地帯の橋梁基礎ならびにプレキャストPC桁といった実構造物への適用が実現した。これらの実施工部材に対しては,その耐久性について今後,継続的に調査を行う予定である。また、シラスを用いた高流動コンクリートや石炭灰硬化体へのシラス微粉末の利用など、特殊なコンクリートについても検討を加え、その実用性を確認した。
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Research Products
(7 results)