Research Abstract |
環境促進実験に基づく鋼橋用防食法の腐食耐久性評価:1)塗装塗り直しの場合の劣化評価をするために,バージン鋼材に塗装をし,環境促進実験装置を使い錆を発生させ,その後,種々のケレンを行った供試体を作り,再塗装し,さらに環境促進実験を行い,防錆の劣化性能を明らかにした.2)鋼橋の防食方法としてよく用いられている塗装系(A, C, I塗装仕様),金属溶射およびめっき防食処理を行った供試体を製作し,環境促進実験を行い,その結果と従来の暴露実験結果を使い,飛来塩分量をパラメータとした促進倍率を求めるモデルを作成し,橋梁などの設置位置を考慮したライフサイクルアナリシスを可能とするモデルを作成した.3)供用70年後撤去された鋼橋の桁から切り出した劣化鋼板に塗装系(A, B, C, I塗装仕様)の再塗装処理を行った供試体を製作し,環境促進実験を行った.その結果と従来の暴露実験結果を使い,飛来塩分量をパラメータとした促進倍率を求めて再塗装の劣化モデルを作成した.4)コンクリートに鋼材が埋め込まれた部位の腐食劣化の評価を行うため,部材レベルの供試体を作り,塩水噴霧複合サイクル実験を長期間行い,ライフサイクルアナリシスの基礎データも得た. 橋梁支承用ゴムの環境劣化評価:ゴム支承の5つのメーカーから,ダンベル供試体の提供を受け,5つの環境要因(塩水噴霧複合サイクル,酸性雨複合サイクル,熱老化,光劣化,オゾン劣化)の環境促進実験を行い,主たる環境要因の絞り込みを行い,熱劣化とオゾン劣化が重要であることを明らかにした. 鋼橋のライフサイクルアナリシス:標準的な橋梁形式であるI桁橋,箱桁橋,トラス橋の三種類を対象として,それぞれの従来型橋梁とそれに対応した合理化橋梁について,支間長を変化させてLCC, LCCO_2及びLCVOCを定量的に試算し,それぞれの結果を比較検討することにより,合理化橋梁のライフサイクルアナリシスを行った.
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