2003 Fiscal Year Annual Research Report
鋼桁橋・鋼製橋脚の実変形挙動に関する解析的・実験的研究
Project/Area Number |
15360244
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 栄輝 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90200609)
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Keywords | 鋼橋 / 箱桁 / 有限要素法 / 3次元解析 / 応力集中 |
Research Abstract |
箱桁における,せん断遅れによる応力集中の検討を3次元有限要素解析で行った.得られた結果は次の通りである. (1)この問題については,すでに多くの検討がなされ,設計基準にも取り入れられているが,その結果には大きなバラツキがあることを整理して示した. (2)3次元有限要素解析においては,梁理論における集中荷重,分布荷重のかけ方にも様々な方法があり,結果も異なり得ることを示した. (3)パラメトリック解析を行い,応力集中の推定式を提案した. 桁端部に切り欠きを有する鋼橋では,切り欠き部周辺に応力集中が生じるため,疲労亀裂が発生して進展することがあり,桁端部切り欠き構造の亀裂補修・補強の事例が報告されている.そうした関連で,桁端部に切り欠きを有する既設鋼2箱桁橋の桁端部でひずみが計測され,合わせて行った3次元有限要素解析の結果と比較検討を行った.本研究で得られた成果を以下に示す. (1)支承部周辺の変形挙動は複雑であり,支承のモデル化には注意を要する.しかしながら,適切なモデル化を行えば,立体FEM解析で実橋の変形性状を再現できることを示した. (2)(1)は,支承タイプにより,その周辺の変形性状が大きく変わり得ることを示している.支承部周辺の損傷を論じる際には,注意を要する. (3)桁端切り欠き部では,非常に大きな応力集中が生じる.これはごく局所的な現象であるが,疲労亀裂を考える際には注意する必要がある. (4)箱桁橋においては横桁の有無による変形挙動の差は小さく,横桁の荷重分配機能は小さい.
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Research Products
(1 results)