2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360255
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鬼塚 克忠 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20037948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 錦春 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (20284614)
根上 武仁 佐賀大学, 理工学部, 助手 (30325592)
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間科学部, 教授 (10275175)
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Keywords | 版築 / 盛土遺跡 / 城壁都市 / 長江 / 黄河 / 黄土 / 城子崖遺跡 / 地盤調査 |
Research Abstract |
中国・黄河流域および長江流域における版築盛土遺跡の調査の総括 昨年度末に黄河流域および長江流域の盛土遺跡の調査を行った.これらの結果を整理,考察し,論文を数編発表した. 中国古来の添加材による遺跡土の改良効果 桐油,消石灰など中国古来の添加材や現在用いられている樹脂などを遺跡土に混ぜて強度や耐久性などについて,数年間に渡り研究を行った.その結果,桐油と消石灰の組み合わせが最も優れた改良効果を示すことを論文に発表した. 中国・東北地方の盛土遺跡の調査 昨年9月上旬10日間ほど東北地方の盛土遺跡を見て回った.朝鮮半島に近い東北地方には,いわゆる版築遺跡が極めて少ないこと,積石塚など石を用いた遺跡が多いことを確認した.その結果,吉野ヶ里墳丘墓の構築技術は,朝鮮半島経由ではなく,中国大陸から直接海を渡って伝来したものであるとの確信に到った. 中国・山東省済南周辺の版築遺跡の本格的地盤調査 昨年11月,1週間ほどかけて,山東省済南周辺の龍山文化時代(B.C.2500〜2000年)の桐林遺跡と城子崖遺跡(B.C.2500年〜)の城壁の本格的な地盤調査を行った.標準貫入試験やボーリングによる試料採取である.時代が古い桐林遺跡は堆築に近い層状断面であり,城子崖遺跡の岳石文化時代(B.C.2000〜1500年)の城壁は見事な層状の版築断面である.版築技術の変遷が確認できた.採取した土試料については浙江大学で半分ほど土質試験を行い,現在データの整理中である. 「中国古代の版築技術の日本への伝播経路とその変遷」の最終総括 山東省文物考古研究所の若手研究者2名を招聘し,今年の2月,佐賀市内で講演会「吉野ヶ里遺跡の源流を中国に求めて」を開催した.参加者は40名を超え,盛況であった.今まで3年間の中国各地における地盤調査,視察調査,文献調査,土質試験などを現在整理しており,近々,最終報告を行う予定である.
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Research Products
(4 results)