2004 Fiscal Year Annual Research Report
氷河湖決壊洪水災害リスクアセスメントのためのモレーンダム決壊予測に関する研究
Project/Area Number |
15360258
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅村 順 日本大学, 工学部, 講師 (70256816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 芳信 日本大学, 工学部, 教授 (80059691)
桧垣 大助 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10302019)
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Keywords | 氷河湖決壊洪水(GLOF) / 現地計測 / 斜面安定解析 / エンドモレーン |
Research Abstract |
本年度は、昨年度、標準調査方法検討地としたネパール・Imja Tsho氷河湖を対象に、継続して現地調査を行った。調査は、危険度評価の基礎となるエンド・サイドモレーンの地形測量、エンドモレーンの現場密度計測、エンドモレーン内温度計測を実施した。また、現地調査で得た結果に基づいて安定解析を実施した。さらに、昨年度調査を行ったブータン・ポチュ川沿いについて、その氷河湖決壊洪水(GLOF)予測のために、現地で得たデータに基づいて氾濫シミュレーションの逆解析の準備に取り組んだ。 夏に実施した現地調査で、エンドモレーンに新たにパイピングが発達している箇所が認められた。地形測量は、GPS Kinematic測位を用いて、その位置を中心に実施した。現場密度計測ではモレーンの密度が、その形成過程を反映して、場所により大きく異なることが分かった。また、温度計測の結果、3月から9月まで、エンドモレーン内の温度は、0度以上であった。得た結果から、モレーンの熱伝導に関する定数の同定を試みたが、未だ信用できる結果となっていない。それらの計測結果に昨年度の成果を併せた安定解析では、エンドモレーン内に凍土もしくは化石氷床の存在を考えなければ結果を説明できない結果となり、解析に熱的性質の評価が不可欠であることを確認した。また、現場密度の計測結果から、昨年度実施した弾性波速度探査を再解析した。加えて上記現地調査結果とは別に、昨年度の成果に基づき、ブータン・ポチュ川流域のGLOFシミュレーションをするためにデジタル標高モデルを作成し、解析の検討を開始した。 本年度の成果から、来年度、モレーン内温度計測箇所を増加すると共に、さらに継続して計測することにした。 以上の成果は、2004年12月の国際会議で発表した。
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Research Products
(3 results)