2003 Fiscal Year Annual Research Report
内湾における富栄養化履歴の解読とその数値再現に基づく長期環境予測に関する研究
Project/Area Number |
15360263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50292884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 学 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40343173)
柴山 知也 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40143391)
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Keywords | 内湾環境 / 長期予測 / 底泥堆積 / 環境履歴 / 数値モデル / 環境再現計算 |
Research Abstract |
東京湾においては長年にわたる環境の劣化が進行し,生態系の劣化が益々深刻なものとなっている.このような背景の下,東京湾の再生が声高に叫ばれるようになり,様々な環境再生事業が検討されるに至っている.しかし個々の事業それぞれによる環境の改善効果は必ずしも大きくなく,様々な方策の有機的な組み合わせと,数十年以上の長期的取り組みが不可欠である.そのため,数十年スケールでの環境改善の展望を説得力を持って国民の前に示すことが必要であるが,現在の環境予測技術ではこれに答えられないのが現状である.そこで,本研究では東京湾における過去50年スケールの開発と環境劣化の変遷過程を定量性に重点をおいて明らかにし,これらの変遷過程を精密にかつ客観性を確保しながら再現可能な数値モデルを開発することで,長期的な環境変化の予測手法の提案を目指す. 今年度はまず,東京湾奥部における過去の環境履歴が記録されている底質に着目し,まず,音波探査による泥質層厚分布の測定と既往文献による泥質層厚調査結果を基にして,湾奥における泥質層厚マップを作成した.これにより東京湾奥部における浮泥堆積の全般的傾向と局所的な変化を把握した.次に河川起源の粘土・シルト分の堆積過程をモデル化し,流動モデルに組み込むことで,底泥の堆積過程を表現する数値モデルのプロトタイプを構築した.本モデルでは波浪予測モデルを組み込むことで波浪と流動双方による海底せん断応力を評価し,これをパラメータとして堆積や再浮遊過程を表現した.本モデルを用いて周年にわたる再現計算を実施し,湾奥部における年間の底泥堆積を再現した.特に局所的な堆積域の存在は底面せん断応力の影響による可能性が高いことが明かとなった.
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