2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360267
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 明徳 九州大学, 工学研究院, 助教授 (30117288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 賢 九州大学, 工学研究院, 助手 (70336014)
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Keywords | 島嶼部 / 波の散乱解析 / 周波数スペクトル / 方向スペクトル / 島陰部 / 係留浮体 / 波浪観測 |
Research Abstract |
波の散乱解析法を用いて,島周辺の周波数スペクトルおよび方向スペクトルを推定する解析手法と計算プログラムを開発した.本手法の特徴は,数値解析によって島周辺の波の回折や反射を計算し,それを基に波浪の方向スペクトルを推定する手法であることから,島周辺の任意の地点に,任意の個数の波高計を任意の本数配置することができる.したがって実測値から方向スペクトルを推定する際に問題となる計測点の数や設置位置および観測値に含まれる雑音の問題をクリアーできる.昨年度に検討した,数値計算における境界形状の設定,境界要素の分割,入射波スペクトル推定のための観測点配置などが,どのように推定結果に影響するかの結果を踏まえて,北九州市沖合いにある白島石油備蓄基地を対象に,数値解析を行って,島周辺の波浪スペクトルの特性を明らかにした. ついで,本解析法の妥当性を検証するため,白島石油備蓄基地周辺での波浪観測(平成15年10月より平成16年2月)をおこない,水位変動,流速変動,風速風向の観測データを解析した.これらのデータを用いて,周波数スペクトル,方向スペクトルを求め,島周辺の波浪スペクトルの特性を調べた.その結果,数値解析で推定されたように,島からの散乱波の影響によって,スペクトルの形状は,周波数の変化に応じて櫛の歯状の極大極小が現れること,島影部の有義波高は島前面の有義波高の半分ほどで,島による遮蔽効果が大きいことなどが分った.観測値と,解析法による推定値を比較した結果,本解析法によって島周辺の任意位置における波浪のスペクトルを比較的精度良く推定できることを確認した.
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