2004 Fiscal Year Annual Research Report
気泡混入-水滴生成連鎖過程の世界最高速のビデオカメラによる解明-
Project/Area Number |
15360270
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50216933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
高野 保英 近畿大学, 理工学部, 講師 (80330231)
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Keywords | 水滴生成 / 気泡混入 / 水表面 / 表面張力 / 粘性 |
Research Abstract |
本研究は大気-海洋間の物質輸送現象に大きく影響を及ぼす「気泡混入-水滴生成連鎖過程」を世界最高速のビデオカメラを用いて解明することを目的としている。 本年度は,気泡が破裂することにより水滴同士が衝突合体する現象に着目し,高速撮影を行った。水滴の合体は表面張力の影響が非常に大きく作用し,特に接触点では特異点となり,非常に高速に接触領域を増加させる。モデルを単純化させるため,ノズルに生じた水滴を静かに接触させた場合の現象を高速撮影した。水滴のサイズおよび水滴の粘性を種々変化させ,その影響を調べた。 粘性が小さい場合,接触点から外側に接触領域を広げる運動は"表面張力-慣性力"モデルで十分説明できることが分かった。また,このモデルは水滴のサイズに依存しないことも明らかとなった。レイノルズ数Re_ν=ρR_<ave>σ/μ^2【less than or equal】5000の範囲では,粘性が大きくなるに従い,接触領域の広がる速度は減少する。ここで,R_<ave>は接触ネック部の曲率,ρは水の密度,σは水の表面張力,μは水の粘性係数である。本研究の成果は,Journal of Fluid Mechanicsに掲載された。 その他,固体球体が水表面に衝突するときに生じる水の小さなジェットに関する現象についても高速撮影した。落下速度,および水の粘性を変化させて,ジェットの生成への影響を明らかにした。特に,生成したジェットが崩壊する過程でいくつかの興味ある現象が観察された。 これは,水滴生成過程に大きく影響を及ぼすものである。本研究の成果に関しても,流体力学分野で最も権威があるJournal of Fluid Mechanicsに掲載された。
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Research Products
(4 results)