2005 Fiscal Year Annual Research Report
気泡混入-水滴生成連鎖過程の世界最高速のビデオカメラによる解明
Project/Area Number |
15360270
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 教授 (50216933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
高野 保英 近畿大学, 理工学部, 講師 (80330231)
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Keywords | 気体輸送 / 水表面 / 風波 / 気泡 |
Research Abstract |
本研究では,地球温暖化等に関連する問題として大気-海洋間での気体輸送現象に着目している。特に,強風速下では波砕等によって,取り込まれた気泡群および水表面で生じた水滴群が互いに相互作用しながら,その分布特性を変化させている。この「気泡混入-水滴生成連鎖過程」は,大気-海洋間の気体輸送に大きく影響を及ぼしていると考えられているが,未だ現象自身に不明な点が多く,定量的に評価されるまでには至っていない。本研究では,近畿大学で開発された100万枚/秒の高速ビデオカメラを用いて,「気泡混入-水滴生成連鎖過程」の素過程現象を詳細に観察し,気体輸送現象への影響を明らかにすることを目的としている。 今年度は以下の点に関して着目して研究を行った。 1.気泡の分裂現象の高速ビデオによる計測 白波砕波などによって取り込まれた気泡群は,せん断などによって分裂する。気泡の分裂現象は取り込まれた後の水中での気泡径分布に大きく影響をおよぼす。今回,単純化した現象として,ノズルから生じる気泡が分裂する現象を高速ビデオカメラで詳細に可視化し,その特性を明らかにした。また,ある条件下では,分裂時にメインの気泡の他に,微小な気泡が生じる現象が観察された。この成果の一部はJournal of Fluid Mechanicsに掲載された。 2.風波発生時における水表面極近傍の流れ場の計測 風波下に生じる吹送流は気泡分布等に大きく影響を及ぼす。今回の研究では,画像計測により風波の波動成分と吹送流成分の分離法を検討した。波動成分は基本的に表面の乱れには関係しないため,風波発生下の正味の乱れを評価することができる手法を提案した。
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Research Products
(6 results)