2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360271
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Research Institution | Independent Administrative Institution Civil Engineering Research Institute of Hokkaido |
Principal Investigator |
渡邊 康玄 独立行政法人北海道開発土木研究所, 環境水工部・河川研究室, 室長 (00344424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津川 誠 独立行政法人北海道開発土木研究所, 環境水工部・環境研究室, 室長 (10344425)
長谷川 和義 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70001328)
中村 太士 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90172436)
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Keywords | 河川環境 / 蛇行復元 / 標津川 / 河道変化 / 湾曲河道 / 2way河道 / 河道変化モデル / レストレーション |
Research Abstract |
平成16年度は、河川・湿地における自然復元の具体的手法について、標津川の試験地等における調査を基に検討を行った。 (A)直線化された河道を残しつつ蛇行を復元する場合の現象について、推理特性を理論と実験により調べ、以下の結果を得た。1)平坦床分岐では、急勾配水路側に流量の偏る分岐流量解がただ1つ現れ、時間的に変化しない。2)移動床分岐では、分岐流量が時間的に変動し主流交番の発生する場合がある。3)主流交番は砂堆河床で発生しており、交互砂州によるものではなく移動床分岐水路に内在する不安定機構によるものと推察される。 (B)河川環境の向上のための倒木投入の効果について、投入前後の河道内の物理環境と生物の生息量調査を行った結果、以下の事項が確認された。1)流速の小さい空間が創出され、海から遡上した大型・小型のサクラマスが倒木周辺で多く確認された。2)倒木投入後の調査(夏期)では、対照区と比較して約8倍の個体数が倒木区で確認された。また、初冬の調査では、遡上したシロザケが倒木区でのみ確認された。3)水生昆虫においてもコントロール区より倒木区で生息密度や種数の増加がみられ、倒木投入によって河川が安定化したことが影響している。 (C)旧川の自然再生における水質改善のための対策評価に生かすことを目的として、水質の悪化が指摘されている石狩川旧蛇行部の茨戸川を対象に水質形成要因を定量化した。さらに、魚類からみた健全化に生かすことを目的に、北海道内の河川を対象に河道構造と底生生物、魚類の生息環境の関連を明らかにした。 (D)河川環境を考える上で重要な要素である河道内樹木について、洪水時の挙動を把握するため既往最大の洪水を経験した沙流川の河畔林について調査を実施するとともに倒木限界を把握するため引き倒しの試験を行った。その結果河畔林周辺の地形が流れに大きく影響し樹木の倒伏を支配することが確認された。
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Research Products
(6 results)