2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
木曽 祥秋 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20144206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 和之 国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・主任研究員 (00261595)
高木 博夫 国立環境研究所, 環境研究基盤技術ラボラトリー・環境分析化学研究室, 主任研究員 (50216628)
山田 俊郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (30335103)
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Keywords | ナノろ過膜 / 農薬 / 阻止特性 / 吸着 / 分子 / 分子幅 / log P |
Research Abstract |
(1)ナノろ過膜阻止特性の実験的検討 微量有害有機汚染物質として、農薬および代表的な内分泌攪乱作用物質を対象としたナノろ過膜にはホローファイバー膜と脱塩率の異なる4種類の平膜を用いて分離特性を実験的に検討した。高脱塩率の膜は、多くの農薬に対して高い阻止率を示したが、膜の脱塩率の低下に伴って農薬阻止率も低下した。 内分泌攪乱作用物質物質の一つであるビスフェノールAは、最も脱塩率の高いナノろ過膜でも阻止率が92%程度であり、脱塩率の低い膜では阻止率が著しく低下した。 ホローファイバー膜を用いて10日間の連続処理を行った結果、糖類等の親水性溶質では供給液の濃度変化が見られなかった対し、農薬では供給液濃度が減少する傾向が明らかに認められ、膜および装置内壁等への吸着の影響が示唆された。 (2)膜に対する吸着特性 農薬のナノろ過膜に対する吸着特性について、回分式実験により検討を行った。農薬の吸着特性はFreundlich式で近似でき、疎水性の高い溶質分子ほど吸着しやすいことが認められた。なお、用いた膜は複合膜であるため、支持膜のみに対する吸着特性についても検討を行った。その結果、膜に対する農薬の吸着は、支持膜に対する吸着に支配されていることが示された。また、溶質の分子構造(平面性)も吸着に影響を及ぼすことが示唆された。 (3)疎水性指標(log P)の測定 農薬の疎水性指標としてオクタノール/水分配係数(log P)が一般に用いられているが、必ずしも実測値が得られてはいないことから、log P値の測定を行った。オクタノール相と水相の分析を行い、回収率98-102%、log Pの相対標準偏差5%以内で測定が可能であった。また、一部の農薬について文献値との比較を行い、十分に精度が高いことが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiaki Kiso: "Present State of Membrane Filtration for Water Treatment in Japan"Korean Membrane Journal. 3. 1-8 (2003)
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[Publications] Y.J.Jung, K.S.Min, Y.Kiso, R.A.Othman, A.Kumano, A.Ariji: "Rejection Properties of Aromatic Pesticides with a Hollow Fiber NF Membrane"Asian Waterqual 2003. 2Q4C07 (2003)