2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境資本のサービスを考慮した環境・経済モデルの開発
Project/Area Number |
15360287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 譲 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90109033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 健史 京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (90229071)
河瀬 玲奈 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (90378852)
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Keywords | 環境資源サービス / アジア地域 / ボトムアップ手法 / 一般均衡モデル / 食料需給モデル / 水需要モデル / エネルギー需給モデル / 土地利用 |
Research Abstract |
本研究では、今後数十年間のアジア地域を対象に、ボトムアップ的な手法により環境が行っているサービス、すなわち水供給、水質回復、土壌生成、栄養塩循環などのサービスの供給量と需要量を社会経済システムとの関わりで定量的に記述、モデル化し、これらとトップダウン型の環境・経済モデルを組み合わせることによって、定量的かつ科学性高い環境管理政策支援ツールを整備した。具体的には、これまでアジア地域を対象に研究代表者らが開発してきたエネルギー需給や食料需給の応用一般均衡型多地域・多部門の環境・経済モデル、土地利用変化モデル、水需給モデル、環境と疾病の係わりに関するモデルなどを統合し、これらに環境が行っている上記のサービスをサービス生産部門として明示的に組み込み、これまで天恵として取り扱ってきた環境サービスの社会・経済的意義やそれらのサービスを行う環境資本の整備・保全費用の定量的な同定と評価を行った。 特に、穀物生産、水需要のサブモデルと環境資源サービスの関わりのモデリングを中心に、これを現在、国連所属の諸機関が共同して実施しているミレニアム生態系アセスメント(MA)で取り上げる生態系サービスなど他の環境資源サービスに拡張する一方、土地利用・被覆形態のモデルと連携し、さらには、世界多地域多部門の一般均衡モデルと連結させることにより、社会・経済システム全体の活動と環境資源サービスの関わりを記述した。その方法としては、高効率性を発揮する現行の市場経済システムを前提に、環境資本のサービス供給を社会経済システムをサポートする必須要素として捉え、モデル中に具体的かつ明示的に組み込んだ。
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Research Products
(9 results)