2003 Fiscal Year Annual Research Report
循環を前提とした施工性・解体性に優れた木質パネルの開発
Project/Area Number |
15360293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80205749)
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Keywords | ストレススキン効果 / モーメント抵抗接合 / 回転剛性 / 耐力 / 集成材 / 理論式 |
Research Abstract |
ストレススキン効果をより合理的に用いることが可能な木質パネルとして2タイプを開発した。接合部の折れ曲がる部分においてストレススキンを連続させるために、アルミプレートにより接合するタイプと合板リブにより接合するタイプである。実験より以下の結果を得た。 A)回転剛性の比較 ストレススキンなしのパネル接治部は、合板分の断面2次モーメントの増加により回転剛性は若干増加したが、およそリブ接合部の2倍であった。アルミ接合型はリブ接合部2本分と比較してopening-modeで平均1.8倍、closing-modeで平均4.6倍回転剛性が増加しており、また、パネル幅の増加によっても回転剛性は増大した。合板リブ接合型ではおよそリブ接合部と合板リブ接合部の回転剛性の和と同じであった。 B)最大耐力の比較 ストレススキン効果なしのパネル接合部は、およそリブ接合部の耐力のみとなっている。パネル接合部ではアルミ接合型が、リブ接合部と比較してopening-modeで平均1.3倍、closing-modeで平均3.1倍、増加し、合板リブ接合型ではopening-modeで平均1.9倍、closing-modeで平均2.5倍増加した。 C)剛性と耐力の理論的推定 リブ接合部、アルミ接合型パネル接合部および合板リブ接合型パネル接合部のそれぞれに対し、回転剛性および最大耐力の推定式を提案した。これらの推定式による結果と実験結果を比較した結果いずれの場合も十分な精度で推定できることがわかった。 以上のように、ストレススキン効果を用いた木質モーメント抵抗接合を提案し、その回転剛性と最大耐力の推定式を示し、これらにより精度よく予測できることを示した。この接合部を用いることにより、リブ材のみの接合部よりも小断面で想定した架構を成立させることができることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 宮下康信: "ストレススキン効果を用いた木質モーメント抵抗接合部の実験研究(その1)実験概要"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-1構造III. 33-34 (2003)
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[Publications] 松原洋介: "ストレススキン効果を用いた木質モーメント抵抗接合部の実験研究(その2)剛性および耐力の推定式"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-1構造III. 35-36 (2003)
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[Publications] 坂田弘安: "ストレススキン効果を用いた木質モーメント抵抗接合部の力学的特性に関する実験研究"日本建築学会構造系論文集. 第574号. 143-150 (2003)