2004 Fiscal Year Annual Research Report
軽量2重壁構造の遮音評価試験装置の開発と高遮音性能化の研究
Project/Area Number |
15360309
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩瀬 昭雄 新潟大学, 工学部, 教授 (30114391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 拓也 新潟大学, 工学部, 助手 (40332647)
吉村 純一 (財)小林理学研究所, 建築音響第2研究室, 室長(研究職) (00142050)
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Keywords | 軽量2重壁 / 遮音 / 遮音性能 / 音響透過損失 / コインシデンス効果 / サウンドブリッジ / 低音域共鳴透過 / 遮音欠損 |
Research Abstract |
石こうボード2枚で中空部に何も無い基本2重構造壁を対象として、前年度に引き続き高遮音性能を計測しうる状態まで試験装置の改善を試みた。すなわち、アクリル板1枚で構成されていた小型無響箱の外側に遮音層を設けて2重構造化し、グラスウールで支え囲む浮き構造としていた装置自体を強化した。本年度は外側の遮音層に繊維強化石こうボードと鉛板付き繊維強化石こうボードを使用するなど、基本性能を実験で確認しつつ、外周部材料を強化し、床面との問にゴムを介するなど構成法の選定改良を進め実験結果を比較した。 その結果、試験音波が垂直入射の条件下、いずれの改善策を施した条件でも1kHz以上の周波数で60dB程度の減衰が観測確保できること、低音域共鳴透過現象が明瞭に観測されるようになったこと、さらに水平入射条件では3〜4kHzに生じるコインシデンス効果を明瞭に浮き上がらせる状態にあることが分かった。この結果は、垂直入射でも、コインシデンス周波数付近に見かけ上の遮音低下の傾向が観測されることを示し、昨年度に掲げた課題が解消されなかったことになる。 このため、信号音放射による外周部材と試験対象との振動励振状態の比較実験を行ったところ、試験対象材料の方が上記周波数でレベルがかなり高いことが判明し、現環境下で得られる最良の状態に至っていると判定した。 次に、本年度の課題として掲げた高遮音性能化を計る手段として、幾つかの遮音構造を対象に試験を行った結果のうち、2枚のせっこうボード間に吸音材を挿入する例ではグラスウールを厚く分割挿入するより、薄くても隙間なく敷き込む方が遮音性能向上に効果があることなど、軽量間仕切り壁の遮音性能向上に関する貴重な知見が得られた。以上の通り、本研究により軽量2重壁の遮音性能に関わる評価試験方法が提案でき、高遮音性能化に関わる基礎的資料が蓄積されたと言える。
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Research Products
(6 results)