2004 Fiscal Year Annual Research Report
空調システムにおける微生物汚染の実態と対策に関する研究
Project/Area Number |
15360315
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
池田 耕一 国立保健医療科学院, 建築衛生部, 部長 (90100057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 宇 国立保健医療科学院, 室長 (50370945)
鍵 直樹 国立保健医療科学院, 研究員 (20345383)
高鳥 浩介 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 部長 (50270624)
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Keywords | 空調システム / 浮遊微生物 / 付着微生物 / カビ指数 / エアフィルタ / 捕集率 / イオンクラスタ / 抗菌・防黴 |
Research Abstract |
1.研究の目的 昨年度の研究結果を踏まえて,今年度では,計画通り,空調システムにおける微生物汚染の対策方法を検討し,次年度の指針をまとめるための必要なデータを得ることを目的としている。 2.実施状況と成果 計画通り研究を実施し,当初期待の成果が得られた。以下に主な成果を示す。 (1)イオンクラスタ-による抗菌効果の検証:中国上海市内にある超高層商業ビルの給気ダクト内に設置されているイオン発生器を対象に,実運転条件下において,微生物,揮発性有機化合物などに対するその濃度低減効果について検証を行った。その結果,イオン発生器の作動により,室内のプラスイオンとマイナスイオンの濃度がそれぞれ2.3倍と1.9倍までに上昇したことを確認できたが,そのイオンによる微生物,揮発性有機化合物,アルデヒド類濃度の低減が認められなかった。 (2)酵素フィルタによる抗菌効果の検証:ある執務室を受け持つ空調機内に,研究対象のフィルタと比較用の一般フィルタを設置し長期間の検証試験を行っている。対象フィルタと一般フィルタを同じ条件で行った冬期の試験結果では,一般フィルタに付着している真菌と細菌数に比べ,対象フィルタの方がそれぞれ14%と25〜50%低かった。また,フィルタから多種類の揮発性有機化合物を放出し,室内空気汚染の一因となっていることが明らかとなった。 (3)温湿度調整による微生物生育速度抑制効果の検証:昨年度の研究結果より,空調システム内の温湿度を調整することによって,微生物の生育を抑制できることが示唆された。今年度では,空調システム内の温湿度を所定の温湿度を設定できる実験を構築し,湿度の制御による微生物生育速度の抑制効果について検証を行っている最中である。
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Research Products
(7 results)