2005 Fiscal Year Annual Research Report
層状化合物のナノスペースを利用した複合的吸着選択性を有する新規多孔体の創製
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15360343
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木野村 暢一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50029732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 伸弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90161702)
武井 貴弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50324182)
米崎 功記 山梨大学, 工学部, 助手 (20377592)
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Keywords | 層状構造 / インターカレーション / ナノシート / ソフト化学反応 / 多孔体 / カードハウス型構造 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続きナノシートと鉄コロイドとの系での多孔体の合成およびナノシートと導電性高分子との複合化について検討した。 層状遷移金属酸化物の再構築法による多孔質化 Fe_<0.5>Nb_<1.5>O_5ナノシートと鉄コロイドとの混合比を変えて前年度と同様な方法で多孔体を合成し、多孔体特性の混合割合に対する依存性について検討した。その結果、半径2nm程度の細孔と半径4〜8nm程度の細孔との二種類の細孔が存在し、前者はコロイドとナノシートの量比に依存せず常に見られるが、後者はコロイドとナノシートの量比が0.2以下でのみ現れることがわかった。小さな細孔はナノシートが変形して積み重なった結果生ずるナノシート間の細孔で、大きな細孔はカードハウス型の細孔であることがわかった。カードハウス型の細孔は、コロイドの量が増えると、形成されなくなった。この系での最高の比表面積はコロイド/ナノシート=0.2において得られ、144m^2/gであった。 2.導電性高分子のナノシートとの複合による高分散多孔化 導電性高分子と層状リン酸ジルコニウムの複合化により導電性高分子の高分散多孔化を二種類の方法で検討した。最初の方法は、α-リン酸ジルコニウムの層間でアニリンおよびピロール高分子を分散させる方法である。層間のアニリンを酸性条件下で重合させることにより、層の負電荷による導電性高分子へのアニオンドープが可能となった。複合体の導電性高分子重量当たりのキャパシタンスは、通常に重合させたものよりも大きくなった。次に、アニリンあるいはピロールとα-リン酸ジルコニウム剥離溶液との混合溶液中で電気泳動および電解重合を同時に行った。この方法で作製した複合体は、そのサイクリックボルタモグラムに明瞭な酸化還元ピークを示し、導電性高分子重量当たりのキャパシタンスは導電性高分子単体よりもはるかに大きかった。
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Research Products
(6 results)