2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能性金属酸化物厚膜および薄膜のミクロ・ナノレオロジー
Project/Area Number |
15360344
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
逆井 基次 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50124730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70295723)
武藤 浩行 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20293756)
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Keywords | 金属酸化物厚膜・薄膜 / ゾル-ゲル / ナノレオロジー / 圧子力学 / 弾塑性 / 粘弾性 |
Research Abstract |
昨年度実施した、(1)ゾルーゲル法を用いたモデル厚膜・薄膜調製条件の確立、(2)弾塑性・粘弾性ミクロ・ナノレオロジー計測システムの構築、ならびに(3)有機/無機ハイブリッド膜の弾塑性計測予備試験、の実績を発展させ、当初研究目標を達成するため以下の研究を実施し、多くの実績、知見を得た。 (1)積層圧子力学理論(弾性論)の構築 基板上のコーティング薄膜の弾性変形挙動定量化を目的とした圧子力学の弾性理論を完成させた。既存理論[((a)第二種フレドホルム積分方程式によるアプローチ、(b)圧子誘起表面応力分布に等方近似を用いた解析解(c)H.GaoのStiffness Function理論]の体系的統合化を行うと共に、その軸対称圧子への適用拡大を行った。得られた理論予測の実験的検証はガラス基板上のMeSiO_<3/2>-ハイブリッド薄膜・厚膜に対するナノインデンテーション(球圧子を用いた弾性変形試験)により行い、理論の有用性を確証した(J.Mater.Research投稿中)。 (2)MeSiO_<3/2>-ハイブリッド厚膜の脱水縮合過程における弾塑性ミクロ・ナノレオロジー ゾル溶液のゲル化に伴うシロキサン骨格・網目構造発達過程を、圧子レオロジー手法を用いて追跡し、この結果を化学構造変化過程と関連付けて研究した。ゲル化処理温度ならびにゲル化処理時間をパラメターとして厚膜のヤング率、硬度、塑性パラメターを定量評価し、これら物性変化とFTIRスペクトル変化の関連からシロキサン架橋構造の発達過程を定量的に解明することが出来た(Key Eng.Materials投稿・印刷中)。 (3)PhSiO_<3/2>-ハイブリッド膜の脱水縮合過程における粘弾性ミクロ・ナノレオロジー 短時間でゲル化するMeSiO_<3/2>膜に比較し、PhSiO_<3/2>ゾルはゲル化に極めて長時間を必要とする。従ってゾル-ゲル過程での薄膜粘弾性研究に最適なモデル膜を提供する。レオロジー手法によるゲル化過程の粘弾性定量化研究として、(a)ミクロインデンテーション法における応力緩和理論の構築、(b)その実験・解析手法の開発、(c)PhSiO_<3/2>-ハイブリッド膜のゲル化過程解明のレオロジー研究、を行い、シロキサン架橋構造発達に関する多くの知見を得た(Acta Materialia投稿中)。
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Research Products
(5 results)