2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360347
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 弘 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10294977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 英治 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (80180280)
池田 賢一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (20335996)
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Keywords | 残留応力 / 単結晶 / 炭化ケイ素 / 結晶化ガラス / インデンテーション法 / 透過型電子顕微鏡 / 三次元形状解析 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
1 各種材料の残留応力評価の研究 単結晶SiCでは第一圧子2kgの同一負荷荷重において、ガラス(Na-Ca-Si-O系)より残留応力発生距離は狭く(SiCで200μm,ガラスでは300μm)、等価距離における残留応力は単結晶SiCの方が数倍大きいこと(圧縮残留応力として、SiCでは165MPa,板ガラスでは40MPa)等が判った。 2 熱処理による残留応力変化の研究 Si-Al-Li-O系ガラスでは熱処理により残留応力は緩和し、歪点(Ts=530℃)付近の熱処理によって残留応力はゼロになること、結晶化後は緩和は約100℃高温側にシフトすること等が判った。単結晶SiCにおいては800℃の熱処理において残留応力の緩和が起こり、1400℃、2時間の熱処理により、残留応力はゼロとなった。多結晶SiCでは残留応力の緩和は単結晶より低温側で進行することが判った。 3 材料解析および理論解析 熱処理にともなう残留応力の緩和は、圧痕の三次元形状変化をともない、いずれの試料でも観察することが出来た。分子動力学法によるイオンの拡散速度計算により、Si-Al-Li-O系ガラスでは、結晶核となるTi^<4+>イオン等が間歇的な動きをすること等が明らかになった。結晶化による耐熱性の向上はガラスの粘性低下による残留応力の緩和を結晶相が抑制することに起因すると考えられる。 単結晶SiCの透過型電子顕微鏡による観察では、圧子近傍を中心にSiCの底面(0001)滑りに伴う積層欠陥構造が観察され、圧子近傍ほど、熱処理温度が高いほど底面滑りが顕著になることが判った。半導体、光学材料、構造材料等いずれの用途でも重要な機能となる耐熱性は、SiC>結晶化ガラス>ガラスの順である。本研究で開発した残留応力評価法は熱処理による微小応力および歪み変化が検出可能で、耐熱性とそれに伴う機能の設計に寄与し得る方法である。
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Research Products
(9 results)