2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面改質カーボンナノチューブからの導電性ナノ複合体の創製とその外部刺激応答機能
Project/Area Number |
15360357
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坪川 紀夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20018675)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 気相生長炭素繊維 / カーボンマイクロコイル / 表面グラフト / カルボキシル基 / 配位子交換反応 / ナノ複合体 / センシング機能 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、カーボンナノチューブ(CNT)や気相生長炭素繊維(VGCF)表面へのグラフト反応とその電気的性質について検討した。また、本年度は新たにカーボンマイクロコイル(CMC)表面のグラフト化とそのセンシング機能についても検討した。本年度の研究成果は以下のとおりである。 1.CNTやVGCF表面の縮合芳香族環とジカルボキシフェロセンとの配位子交換反応によりCNTやVGCFへ効率よくカルボキシル基が導入できることを明らかにした。また、縮合剤の存在下で、この様にして導入したカルボキシル基に、水酸基末端やアミノ基末端のポリマーを反応させると、対応するポリマーがCNTやVGCF表面へ容易にグラフトすることを見出した。 2.CMC表面の縮合芳香族環とフェロセン含有ポリマーとの配位子交換反応による、CMC表面へのポリマーのグラフト化が可能であることを明らかにした。また、この様な方法を用いると、CMC表面へのポリマーのグラフト率の制御が可能であり、多彩な構造を持つポリマーを効率よくグラフトできることを見出した。 3.CMC表面を硝酸で酸化することにより、CMC表面へカルボキシル基が導入できることが分かった。CMCへ導入したカルボキシル基により、ビニルモノマーのカチオン重合が開始され、成長ポリマーカチオンの停止反応により、CMC表面へ対応するポリマーがグラフトできることが分かった。また、CMC表面のカルボキシル基と水酸基末端ポリマーとの反応により、CMC表面へ対応するポリマーがグラフトできることを明らかにした。 4.ポリマーグラフトCMCから作製したナノ複合体をグラフト鎖の良溶媒蒸気に曝すと、そのL(インダクタンス)、C(キャパシタンス)、及びR(レジスタンス)は鋭敏に応答し、新規センサーとして利用できる可能性のあることが分かった。
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