2003 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性形状記憶合金における磁場誘起マルテンサイト変態を利用した巨大歪
Project/Area Number |
15360367
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
掛下 知行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 智之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20346183)
福田 隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50228912)
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Keywords | 形状記憶合金 / 結晶磁気異方性 / 磁気モーメント / 双晶変形 / 剪断応力 / 磁歪 / 磁化曲線 / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
近年、数%もの巨大歪を磁場で制御することのできる新しいアクチュエータ用材料として強磁性形状記憶合金が注目されている。この巨大歪は、マルテンサイト状態において磁場により結晶学的ドメイン(バリアント)を再配列させることにより起こる。すなわち、この変形は双晶変形の一種である。磁場を加えることにより発生させた歪は一般に磁場を除去させるだけでは回復させることはできず、バイアス応力を付加するか、温度を上昇させて逆変態させる必要がある。このことは、通常の形状記憶合金をマルテンサイト状態で応力により変形させた場合と同様である。ところで、通常の形状記憶合金の母相状態で応力を加えると応力誘起マルテンサイト変態し、それに伴い大きな歪が発生するが、この場合は、応力を除荷すると逆変態により元の形状に戻り、いわゆる変態擬弾性を示す。これと同様に、磁場によりマルテンサイトを誘起できれば、磁場印加に際して巨大歪が現れ、磁場除去により回復することが期待できる。本研究では、この機構による巨大歪の可能性を探るため、Ni-Mn-Ga系強磁性形状記憶合金のマルテンサイト変態温度の磁場依存性を詳細に調べた。Ni-Mn-Ga系合金においては、2M、14M、10Mと呼ばれる3種のマルテンサイトが存在する。そこで、これらの変態をする合金多結晶ならびに単結晶を作製し、磁場によるマルテンサイト変態温度の変化を調べた。その結果、磁場によるマルテンサイト変態温度の変化は1T当り約1K程度であることが明らかとなった。さらに、変態潜熱ならびに母相ならびにマルテンサイト相の磁化の差を変態温度付近において詳細に求め、変態温度の磁場依存性をクラジウス-クラペイロンの関係により整理した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 福田隆, 掛下知行: "鉄基強磁性形状記憶合金における磁場によるマルテンサイトバリアントの再配列と巨大歪"熱処理. 43・3. 137-142 (2003)
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[Publications] T.Sakamoto, T.Fukuda, T.Kakeshita, T.Takeuchi, K.Kishio: "Influence of magnetic field direction on rearrangement of variants in an Fe-Pd alloy"Materials Transactions. 44・12. 2495-2498 (2003)
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[Publications] T.Kakeshita, T.Fukuda, T.Terai, T.Takeuchi, K.Kishio: "Martensitic transformation in Fe-based shape memory alloys under magnetic field"J.Phys IV France. 112. 93-100 (2003)
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[Publications] T.Fukuda, T.Sakamoto, T.Terai, T.kakeshita, K.Kishio: "Stability of B2-type structure and martensitic transformation in Ti-Ni shape memory alloys"J.Phys IV France. 112. 685-688 (2003)
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[Publications] T.Fukuda, T.Inoue, T.Kakeshita, T Takeuchi, K.Kishio: "Crystallographic orientation dependence of magnetic field-induced strain in an Fe-31.3Pd alloy"Transactions of Materials Research Society of Japan. 28・2. 249-250 (2003)
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[Publications] T.Sakamoto, T.Fukuda, T.Kakeshita T.Takeuchi, K.Kishio: "Magnetic field-induced strain in iron-based ferromagnetic shape memory alloys"J.Appl.Phys. 93. 8647-8649 (2003)