2003 Fiscal Year Annual Research Report
非線形超音波を利用した高経年化構造部材の閉じたき裂と微小き裂の検出・評価
Project/Area Number |
15360377
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三原 毅 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20174112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 一司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00292227)
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Keywords | 非線形超音波 / き裂開口の制御 / き裂の評価 / 超音波探傷 / 斜角透過縦波 / アルミ合金 / 分調波 / 高調波 |
Research Abstract |
本年度は、非線形超音波測定のための強力超音波の入射と計測のためのシステムを構築した。送信用探触子は、2kV程度の高電圧を負荷するため、市販の探触子は内蔵されているマッチングコイルが発熱し破損すると予測した。これを避けるため、当初PZT圧電素子でコイルを入れない耐圧探触子を作製したが市販品同様耐圧が低く、電極接合部の薄利と素子の割れにより安定した計測が困難だった。そこで、圧電素子を36°Y-cutLiNbO3の単結晶に変え、電極接合部も耐熱銀ペーストに変えることで8MHzにおいて2kV程度の連続計測が安定して行えるようになった。 疲労き裂で非線形計測を行うためには、10nm程度の開口のき裂を作製する必要がある。本研究では、アルミ合金7075に3点曲げ試験で破壊靭性Kmaxで制御して疲労き裂を導入し、き裂の閉口を端部反射法で確認しながら閉口き裂を導入するための条件を捜し、Kmax=17Kg/mm^<2/3>,Kmin=2Kg/mm^<2/3>で斜角透過測定により非線形測定が可能なことを確認した。さらに、き裂進展の過程を非線形超音波でモニタリングした結果、き裂進展に伴って非線形特性に変化が見られ、き裂性状の僅かの差異に依存すること、逆に非線形特性の計測によりき裂性状が評価できる見通しを得た。
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