2004 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学インピーダンス法の原理に基づく遠隔操作型環境劣化モニタリングシステム
Project/Area Number |
15360383
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西方 篤 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90180588)
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Keywords | 腐食モニタリング / 電気化学インピーダンス / 耐候性鋼 / 大気腐食 |
Research Abstract |
平成15年度から、沖縄、富津、銚子、筑波で炭素鋼、耐候性鋼、海浜耐候性鋼の3鋼種の大気腐食のモニタリングを開始し約1.5年が経過した。同時に暴露した腐食減量の0.5年、1.0年データも出揃った。そこで、電気化学モニタリング結果と実際の腐食減量の相関を詳細に検討した。 その結果、現時点で以下の成果が得られた。 腐食モニタリングから得られた10mHzと10kHzのインピーダンスの差の逆数(Z_<10mHz>-Z_<10kHz>)^<-1>の平均値と0.5年、1.0年における腐食質量減結果は極めて高い相関を示した。両者の関係式として、次式が得られた。 Log(I_<corr>=0.34Log{(Z_<10mHz>-Z_<10kHz>)^<-1>}-4 (1) この関係は、暴露場の違い,鋼材の違いによらず、すべての条件で成立することがわかった。このことから、同手法により測定した(Z_<10mHz>-Z_<10kHz>)^<-1>により式(1)を使って、耐候性鋼の大気腐食速度を計測できることをほぼ確信した。 ただし、両者の関係は、一般的に水溶液中などで成立する比例関係(Stern-Geary式)とはなっておらず、交流測定の際の電極上での電流線分布問題などが影響している可能性もあり、今後出てくる2、3年目のデータとも合わせて、式(1)の意味について考察する予定である。 大気腐食の測定には材料表面の濡れ時間(Time of Wetnee)が重要な環境因子であるが、同手法は腐食速度だけではなく、濡れ時間の計測にも有効であることが示された。 以上、遠隔で無人自動測定のため、台風の影響を受けた後の復帰に時間が予想以上にかかったり、遠隔操作プログラム等に一部問題があり中断したりしたが、2年目からは、それらに対する対策もでき、現在、実験は計画通り順調に進んでいる。
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Research Products
(3 results)